人一倍繊細なHSPが自分を知って楽になる方法 武田友紀×大木亜希子「私は私のままでいい」
――大木さんは自分がHSPだということに、いつ気づいたんですか?
大木亜希子(以下、大木):30歳を迎えた誕生日に、知り合いから言われた「誕生日なのに男もいないで仕事をしているなんて、かわいそう」という些細な一言に、深く傷ついてしまいました。それをクローズドなSNSでつぶやいたら、「亜希子の人一倍繊細なところは、HSPじゃない? 人の気持ちを考えすぎるところもあるし」と友人から言われ、それがきっかけになって、自分がHSPであると自覚していくようになりました。
アラサー女子として、“元アイドル”という経歴を武器にしたり、男性に媚びてしまうような態度を取ったり、頼まれてもいないのに、無理に体を張って自分のキャパシティーオーバーの仕事を受けてしまったり――。
私は“本当の自分”を押し殺してきました。
――30歳まではHSPの存在を知らなかった……
大木:自分の性質に“HSP”という「名前」がついた瞬間、ホッとしました。そして、HSPについて調べたり、自分がHSPであることを考えたりするうちに、「このような悩みを抱えているのはきっと私だけじゃない」と考えるようになり、HSPという気質があることを世に知らせることで、同じような境遇にある人たちが楽になるのではないかと思いました。
繊細な気質の存在を知らないと“弱さ”と捉えてしまう
武田友紀(以下、武田):はい。「繊細な気質というものがある」と知らないと、周りの人よりも小さいことが気になることや、深く考えることを、自分でも“弱さ”と捉えてしまいがちです。
私が著書や講演などで「繊細さん」と呼んでいるHSPは、他の人が気づかないことにもよく気が付きます。
例えばHSPが職場で、細かいことに気が付きそれを指摘した場合、それが良い改善点だとしても、「そこまで考えていたら仕事が終わらないでしょ」「そこまで気にしなくていいよ」と返されてしまうことがあります。幼い頃から家庭の中で「その神経質なところを直しなさい」と言われて育つと、「自分が悪いんだ」と思ってしまうし、厳しい環境にいても「自分が弱いから頑張らなきゃ」と自分を追い詰め、その環境から出られないということが起こります。
“HSP”という繊細な気質があると広まることで、HSPが「自分が悪いわけではなく、この職場や仕事と合わないだけではないか」という視点に変わり、「じゃあ、自分に合うところはどこかな?」と考えられるようになるのです。
その結果、自分を活かせる仕事に転職したり、人間関係でも「この人嫌いだな」と思ったら離れたりすることができるようになります。
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