人一倍繊細なHSPが自分を知って楽になる方法 武田友紀×大木亜希子「私は私のままでいい」
武田:HSPは、共感の働きを生むと言われる”ミラーニューロン”という神経細胞が非HSPよりも活発に働くと言われています。そのため、誰かが困っていたらすぐ気づくのです。1つひとつは小さなことでも、「声をかけようかな」「話を聞いてあげようかな」と相手を助けているうちに、どんどん自分のことが後回しになっていく傾向があります。気づいたことすべてに半自動的に対処してしまうと、気づく量が多いため、非HSPよりも、多くのタスクをこなすことになります。
「自分がやりたいか」あるいは「見守るか」
対処法としては、2つあります。
1つ目は、気づいたことに対して「やりたいかどうか」を考え、“仕分けすること”です。
例えば「ここを、もうちょっとこうしたほうがいいな」と思っても、自分がやりたいと思わなかったら、“放っておく”ということです。
HSPは仕事の改善点にもよく気づきます。例えば、バックヤードの荷物が山積みになっていると、「ここを片づけるとみんなが仕事しやすくなる」とパッと気づくんですね。「片づけたほうがいい」と思ったとして、自分が「やりたい」のならばやっても良いのですが、「本当は自分だってやりたくないのに『やらなきゃ』と思った」のであれば、「やらない」という選択をする。
つまり半自動的になんでもやってしまうのではなく、いったん立ち止まって「やりたいかどうか」で判断することが対処法の1つです。
2つ目は、“見守る”ということです。
相手の困り事に気づくからこそサッと手を差し伸べることができるのですが、やりすぎると「やってくれる人」になってしまうのです。
HSPはリスクに気づくのが早いので、手を出すのも早い。「この人はこのままでは困るだろう」と予測して動くため、相手が実際に困る前に助けてしまうのです。そうすると、本人が困る前に助けてしまうため、本人は困らないから、本人は何も直そうと思わないのです。
助けすぎてしまうことは、逆に本人の成長を妨げ、同じ問題を繰り返させてしまうことがあります。本人が失敗しないと学びません。「このままだと失敗するだろうな」と思っても、助け過ぎずに“見守る”ことができるようになると、自分のために時間を使えるようになります。
ただ、過呼吸になりそうな場合は、やっぱり助けたほうがいいと思うので、それはいいことだったんじゃないでしょうか。大木さんの配慮に助けられていたメンバーもたくさんいるのだと思います。
(一同笑う)
大木:ありがとうございます。
(後編「HSPの人が繊細さと上手に付き合っていく心得」に続く)
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