幡野広志「人の悩みに答える男」の偽らざる素顔 余命3年宣告された「なんで僕に聞くんだろう」
身近すぎる人に相談すると視野が狭くなる
――新刊『なんで僕に聞くんだろう。』のタイトルにもなっているのですが、なぜ幡野さんにこれだけの人生相談が寄せられているのでしょう?
わかんない。どうしてでしょうね。相談した人に聞いてみてください(笑)。なんで僕に聞くんだろうって、毎回思いますね。身近すぎる人に相談すると、共感しすぎて視野が狭くなってしまうからかもしれません。
――寄せられた人生相談に対する幡野さんの答えは鋭く、厳しく、暖かさが詰まっていて、それに共感する人が続出しています。
率直に思ったことを書いているだけです。悩みを抱えている人には、圧倒的に視野が狭くなっていて、悩んでいる対象者との距離感が近くなりすぎているという共通点があるように感じます。
相談者の文章の細かい言葉遣いや登場人物などから、想像を働かせることで心理状態を察することができます。将棋の駒を進めるみたいに全体を俯瞰して見渡せば、意外と答えられるものです。あとは自分だったらどうするか、と考えますね。相談者の悩みを、一歩引いて視野を広く持ち、距離感をとるようにして聞くことが大切であると思っています。
――いつもどのように答えを導き出しているのでしょうか。哲学書などをたくさん読みましたか?
哲学書なんて読んだことありませんね。そういえば先日、知り合いの同年代の神父様から、僕の書いていることがキリストのメッセージが書かれている福音書にも書いてあると言われました。キリストは2000年くらい前の人ですが、今も昔も、結局行きつくところは同じなのかもしれませんね。
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