幡野広志「人の悩みに答える男」の偽らざる素顔

余命3年宣告された「なんで僕に聞くんだろう」

幡野広志さん(左)と息子さん(写真:©️Yukari Hatano )
「僕、ガンになりました」
2017年12月26日、自らのガンを告白したブログをきっかけに「バズッた」幡野広志さん。1983年生まれ、東京都出身の写真家です。2011年に結婚し、現在3歳の息子を持つ父親でもあります。
34歳の若さで多発性骨髄腫という血液のガンを発症した彼は、余命3年と宣告されたことを2018年にSNSで告白します。以来、幡野さんのもとには大量の人生相談が届くように。相談内容は病気や健康のことに限らず、恋愛・不倫、人生、親子関係などさまざま。ウェブメディア「cakes」で「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう。」のタイトルで人気連載となりました。
その中から選出された36本の相談を収録した著書『なんで僕に聞くんだろう。』が2月6日に発売され、早速翌日に1万部重刷になるほどの反響を呼んでいます。人から好かれようが嫌われようが気にならないという、達観した彼の回答には、「共感する」「腑に落ちる」などという読者からの声が挙げられています。多くの人に刺さるメッセージを紡ぎ出す幡野さんを直撃しました。

身近すぎる人に相談すると視野が狭くなる

――新刊『なんで僕に聞くんだろう。』のタイトルにもなっているのですが、なぜ幡野さんにこれだけの人生相談が寄せられているのでしょう?

わかんない。どうしてでしょうね。相談した人に聞いてみてください(笑)。なんで僕に聞くんだろうって、毎回思いますね。身近すぎる人に相談すると、共感しすぎて視野が狭くなってしまうからかもしれません。

――寄せられた人生相談に対する幡野さんの答えは鋭く、厳しく、暖かさが詰まっていて、それに共感する人が続出しています。

率直に思ったことを書いているだけです。悩みを抱えている人には、圧倒的に視野が狭くなっていて、悩んでいる対象者との距離感が近くなりすぎているという共通点があるように感じます。

相談者の文章の細かい言葉遣いや登場人物などから、想像を働かせることで心理状態を察することができます。将棋の駒を進めるみたいに全体を俯瞰して見渡せば、意外と答えられるものです。あとは自分だったらどうするか、と考えますね。相談者の悩みを、一歩引いて視野を広く持ち、距離感をとるようにして聞くことが大切であると思っています。

――いつもどのように答えを導き出しているのでしょうか。哲学書などをたくさん読みましたか?

哲学書なんて読んだことありませんね。そういえば先日、知り合いの同年代の神父様から、僕の書いていることがキリストのメッセージが書かれている福音書にも書いてあると言われました。キリストは2000年くらい前の人ですが、今も昔も、結局行きつくところは同じなのかもしれませんね。

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