小学校からの「大量宿題」潰れる前にできること 分散登校も始まる中で続く「悩ましい問題」

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それでは具体的に、どうしたらいいでしょうか。

家庭と学校で協働し、宿題に優先順位を

学校と家庭、どちらに問題があるという話ではありません。家庭も悲鳴をあげていますが、学校現場も同様なのです。とくに現在のような非常時においては、双方、初めて経験することばかりであるため、学校と家庭で協力しながら進めていくのが得策だと考えます。

そこで、学校の先生には、次のようにお話されてみてはいかがでしょうか。

「どこまでやったらよいのか、具体的な優先順位を教えてください。そのほうが子どももやりやすいと思いますので」

具体的にやるべきことに優先度をつけて、フローチャートに落とし込めるような情報を提供してもらうのです。

普段の学習でも、量が多すぎてやりきれないときは、優先順位を決めていくことが重要です。すべてを中途半端にやるも、必要最低限を見極めてやるほうが、今回も効果的なはずです。

おそらく先生は、

「ステップ1の部分(絶対必要)→ステップ2の部分(できればこれもやっていけば力つく)→ステップ3(ここまでできたらかなりのレベル)」などとレベルに応じて示すか、「やるべきことを絞って、この部分だけは最低限終わらせておく」といったように、なんらか具体的な回答をしてくれることと思います。

現在の学校の状況について、筆者の知人である学校の先生たちは「現在、学校も模索中です」と言っていました。そして「だからこそ、家庭からもご意見をいただきたい」という声もありました。

ですから、このような質問をすることで、学校側は、「出された宿題をすべてやらないといけないと思っている家庭もある」ということに気づくことができます。もちろん、全国一律、すべての学校がこのような状態であるはずはありませんが、家庭と学校の協働作業によって、子どもたちの混乱はきっといくらか減るはずです。

学校は子どものたちのためにあり、宿題も子どもたちのために出されていると思います。しかしこうした有事の中、それがただカリキュラムをこなすためだけの宿題にならないとも限りません。それは先生たちも十分承知のことだと思いますので、ぜひ、相談してみるのはいかがでしょうか。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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