インド人にとって日本の食生活はとてつもないストレス--日本企業が日本国内でインド人を雇用する場合の注意点
和食での接待については、かなりハードルが高いでしょう。和食の場合は、仮に野菜中心だとしても、出し汁にカツオやコンブを使います。カツオなど海の魚は食べない人が多く、海草もダメな場合が多いです。ヒンズー教では川は神聖で、海を忌み嫌うからというのがその理由です。
また、みそやしょうゆなど発酵ものもダメな場合が多いです。この時点で和食をインド人が食べるというのは非常に難しいことがおわかりいただけると思います。
接待メニューで、ほとんどのインド人がクリアできるであろう具体的な和食メニューとして、あえて一点挙げるなら「野菜の天ぷらに塩をつけて食べる」などはアリでしょう。ただ、天ぷらと一緒に出される大根おろしは最も厳格なベジタリアンの場合はNGになってしまいます。かなり少数派ではありますが、ニンジンや大根など根菜類も食べないベジタリアンもいます。
結論を言ってしまえば、日本人はどうしても和食などでおもてなししたくなりますが、総じて敬遠したほうがいいかもしれません。
--なるほど、野菜天ぷらに塩ですか。和食はあきらめたほうがよさそうですね。無難なところはやはりインド料理店ですか。
もちろん個人差があります。日本で働くインド人エンジニアのなかには、米国での生活経験者も多くいますのでインド人らしくないインド人もいることは確かです。
一緒に食事をするときには「ベジ(ベジタリアン)」か「ノンベジ(非ベジタリアン)」か、を伺うのは普通のことです。魚や卵など、どの程度までのベジタリアン度なのかも聞いておくとよいでしょう。仮に適当に食事に誘っても、厳格なベジタリアンであれば、日本の典型的なファミリーレストランで、食べられるものはほとんどありません。ライスやパスタの麺だけを食べることになります。
無難にいくならインド料理店ということになるでしょう。このように話すと、なかには日本でやせ細ってしまうインド人がいてもおかしくはない、とおわかりいただけると思います。