インド人にとって日本の食生活はとてつもないストレス--日本企業が日本国内でインド人を雇用する場合の注意点

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私が住んでいる地域にも、割とインド人が多く住んでいるですが、先日、若い南アジア系男性が、コンビニでハチミツの瓶を握り締め、何やら真剣な眼差しで、その原材料内容を読んでいるのです。日本語が読めるのか読めないのか定かではありませんが、小声でブツブツ言いながらジーッと見ているのです。そして、3分後、レジに並んだ私がまた彼の方を見ると、まだハチミツを見つめています。「おかしなものは入っていないだろうか。買うべきか、買わざるべきか」と、心配が尽きないのでしょう。

このように、ちょっとした買い物ひとつとっても、私たちが想像もできないところで神経を消耗している可能性があります。それを日本人スタッフが一つひとつサポートしていくのは容易ではありません。しかし、文化的ギャップで日常に困っていることもあるのだと理解し、想像力を持って様子を見ることが重要です。元気がなくなってきたとしたら、生活上の問題かもしれません。

東京、神奈川や神戸などインド人コミュニティや食材店あるようなところでは、食生活上の問題は少なくなってきているのかなと思います。インド料理店や食材店、ハラルフード(イスラム法にのっとった食材や調理法で作られた食材)のお店も増えてきています。また、それらをネット販売で購入することもでき、環境はよくなりつつあると思います。こういったものを紹介してみるのもよいかもしれません。

「ベジタリアン、海外生活が初めて、独身、仕事がハード」というインド人には、特別な配慮が必要です。インド料理を自炊する時間もなく忙しい場合は、勤務場所の近くにインド料理店があるべきでしょう。

すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

ネクストマーケット・リサーチ
インド・南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティング、インターネット関連事業などを行っている。http://nm-research.com

(聞き手:東洋経済HRオンライン編集部:田宮寛之 須貝氏写真:尾形文繁)

 

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