さらに、会社や学校によっては「証明書を出せ」とか言ってくる。そんなこと言っても、「インフルエンザではない証明」のほうはできっこないんです。検査が陰性でもインフルエンザかもしれないのだから。
「インフルエンザ陰性の証明書とか意味ない、あれは単に医者の書類仕事を増やしてるだけだ」ということが広く理解されるようになり、「というか、そもそも鼻水を出してるだけの人が病院へ行くのは意味ないんじゃない」と理解してもらえるところまでいければ、世界一多い日本の外来の患者さんはもっと減って、医者はもっと他の仕事ができるようになるのに。
よく「3時間待ちの3分診療」みたいな言葉で医者の診察が非難されますが、あれはたしかに半分は医者のせいですけど、半分は患者さんのせいですよ。患者さんが殺到するから3時間待ちになるのであって、来なくていい人が来なければ待ち時間は減るんだから。
あと「無駄な検査を減らす」など病院側にできることもありますが、「なんで俺がこんなに待たされるんだ」と言ってる、その患者さんが他の人の待ち時間の一部になっていることにも想像を及ばせたほうがいい。
「医者と患者の共犯」がもたらした問題
だから待ち時間問題は、医者と患者の共犯がもたらした問題なんです。患者さんの「不安を解消したい」という欲望が、待ち時間という患者さんの苦労の原因になっているのです。
ちなみに、神戸大学病院は完全予約制にしていて、アポなしの受診は予約診察が全て終わるまで待ってもらっています。緊急事態は別ですけれどね。
11時に予約を取ってる人は11時に診るのが常識です。11時の予約なのに15時まで待たされるなんて、例えば美容院でそんなことをされたら二度と行きたくないですよね。世の中で、予約時間を破って待たせても平気な顔をしているのは病院だけですよ。
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