NHKのリモートドラマにポカンとした人の目線 そのこだわりも「独りよがり」にしか見えない

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放送前から否定的な声が飛んでいます(写真:winhorse/iStock)

NHKがゴールデンウィークの3夜に続いて、リモートドラマの放送を発表したことに、賛否の声が飛んでいます。

発表されたのは、5月30日、6月6日に放送されるリモートドラマ「Living」。1話15分の計4本で、「Mother」(日本テレビ系)、「最高の離婚」(フジテレビ系)、「カルテット」(TBS系)などを手がけた坂元裕二さんが脚本を書き下ろすほか、広瀬アリスさん・広瀬すずさん姉妹、永山瑛太さん・永山絢斗さん兄弟、中尾明慶さん・仲里依紗さん夫妻、青木崇高さん・優香さん夫妻、さらに阿部サダヲさんと壇蜜さんも含めた豪華キャストがそろっています。

また、NHK大阪放送局も関西地区限定で、「ホーム・ノット・アローン」を放送。5月18~22日まで1話2分×全5話で放送され(23日に一挙放送もあり)、前期の朝ドラ「スカーレット」で共演した桜庭ななみさんと松下洸平さんが出演しました。

ゴールデンウィークの5月4日、5日、8日に放送された第1弾の「今だから、新作ドラマ作ってみました」も、向田邦子賞の受賞者である森下佳子さんや矢島弘一さんらが脚本を手がけ、柴咲コウさん、ムロツヨシさん、高橋一生さん、小日向文世さんら豪華キャストが出演していました。

ところが、コロナ禍における意欲的な取り組みに「称賛一色」と思いきや、視聴者や業界内からは意外なほど否定的な声が上がっているのです。NHKのリモートドラマには、どんな問題点が潜んでいるのか? 各局のテレビマンから集めた声と、ネット上にアップされている視聴者の声をもとに掘り下げていきます。

このクオリティで「最高のエンタメ」なのか

NHKが手がけるリモートドラマのコンセプトは、「打ち合わせからリハーサル、本番収録まで、スタッフとキャストが会わずに作る」。人と人の接触を避けて感染を防ぐことを第一に考えている分、どうしても演出の幅が狭くなり、技術レベルが下がってしまう感は否めません。

最初に目立っていたのは、このような質への不満。5月4日、5日、8日の放送後ネット上には、「小日向さんと竹下(景子)さんの演技がよかった」「猫の高橋一生に笑った」などと俳優の演技を称える声こそあったものの、「ほとんど何も起きずに終わった」などの物語に関する不満、「同じカメラワークが続いてつまらなかった」などの映像に関する不満、「声がこもっていて聞き取れなかった」という音声に関する不満が散見されたのです。

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