「捨ててよ、安達さん。」コロナ禍の我々に響く訳

安達祐実が「捨てる姿」に映る不要不急の本質

安達祐実が「捨てる姿」から見えてくるものとは?(写真:日刊スポーツ新聞社)

「同情するなら金をくれ!」

安達祐実のレジェンド名セリフである。安達祐実が演じる貧しく世間に虐げられた孤児が周囲の大人にこういう正論を吐くことが痛快だったドラマ「家なき子」(1994年 日本テレビ)。安達祐実というと、大人顔負けのしっかりした演技をする名子役から、大人になっても高い演技力も可愛らしい顔もキープし続ける奇跡の女優というイメージがあるが、パーフェクトに愛らしい子供の顔を持ちながら、大人がコントロールできる「いたいけ」さからはみ出した、こういうやさぐれた面こそ魅力であった。

だからいま、その芸歴36年にして劣化知らずと言われるその整った顔で、われわれ庶民に代わって言ってほしい。「自粛させるなら金をくれ!」と。

安達祐実が「不要不急」のものを捨てる

だがしかし、安達祐実はいま粛々と、テレビドラマで「断捨離」を行っている。それが「捨ててよ、安達さん。」(テレビ東京系 金曜深夜0時52分〜)である。「金をくれ!」と言わず、家のなかで「不要不急」のものを捨てているのである。たまたま時代とドラマが重なっただけとはいえ、これはコロナ禍にさらされた現代社会に極めて寄り添った行動である。

ようやく39県で緊急事態宣言が解除される流れとはいえ、この1カ月、感染拡大防止のため「不要不急」の行動を求められているわれわれは終日、家にいてやることのひとつに「断捨離」がある。家にばかりいるから自然とゴミが増えるのみならず、ゴールデンウイーク、どこにも行けないので、この際、思い切って断捨離するかと重い腰を上げる人たちが増加、ゴールデンウイーク明けには、清掃工場にゴミを持ち込む人たちの行列ができたという報道もあったほどである。

東京都をはじめとする8つの都道府県は緊急事態宣言がまだ解除されず、段階を見て様子を見るとはいえ、5月31日まで予断は許されない。解除された県でもテレワークや密を避けることは続く。まだまだ行動も限られるためこれから断捨離をはじめる人もいるだろう。そんなとき「捨ててよ、安達さん。」は参考になる。

「捨ててよ、安達さん。」は安達祐実が安達祐実(安達さん)自身を演じるすこしドキュメンタリータッチのドラマである。女性誌のコラムの仕事で断捨離をすることになった安達さんのもとに、「捨ててください」と自ら申し出てくるさまざまなモノたち。モノが擬人化されて出てくる趣向になっている。

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