「バラエティ番組崩壊」コロナが招く大きな危機 人気タレントの感染に頭抱えるTV関係者たち

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コロナの蔓延を機に「バラエティ番組」のあり方に変革がもたらされるかもしれない(写真: vectorpouch /PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大はテレビ業界にも大きな影響を及ぼしている。生放送のワイドショーや情報番組では人と人との間に一定の距離を保って感染拡大を防止する「ソーシャルディスタンス」が導入されていて、スタジオでは出演者同士が間隔を空けている様子が見受けられる。

『バイキング』(フジテレビ系)では、スタジオ出演者の数を通常よりも大幅に減らしたうえで、出演者の間にアクリル板で仕切りを設けている。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)では、スタジオ出演者をMCの南原清隆1人に絞り込み、それ以外のレギュラー陣は自宅などからの中継という形で出演している。

現場に行ってみるとわかるのだが、テレビのスタジオというのは画面越しに見る印象よりも実際にはかなり狭い。映像としてテレビのフレームに収まっている出演者たちは、私たちが想像している以上に狭いところに密集していて、しゃべると飛んだつばが当たるような距離にいる。そんな場所で感染のリスクが高いのは当然だ。

一方、収録形式のバラエティ番組の場合、通常は1カ月程度のストックがあるため、今のところは従来通りの形でオンエアされている。だが、ストックが尽きてからどういう形で番組を続けていくのかは、新たに考えなくてはいけない。

ロケ番組は国内外問わず「ほぼ不可能」

変わるのはスタジオ収録だけではない。もっと大きな課題となるのはロケである。例えば、現状では飛行機を使って海外に行くようなロケを実行することはほぼ不可能だろう。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のように、海外ロケを中心にしたバラエティ番組は企画の根本的な変更を迫られることになる。

国内のロケでも事情は同じだ。タレントが地方に出向くような旅番組やロケ企画も現状では難しいだろう。東京のスタッフやタレントがわざわざ地方に出かけて現地の人に接するというのは、感染拡大の観点から望ましくない。そもそも多くの飲食店や観光地が営業を停止していたりするため、まともに企画を行うのも困難だ。

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