また3月27日には、出前館とLINEの資本業務提携契約締結が発表された。出前館が第三者割当により発行する新株式300億円を「システム開発」「シェアリングデリバリー」「マーケティング」といった課題に投資するほか、LINEのデリバリーサービス「LINEデリマ」を統合。IDの統合も進め、8300万人のLINEユーザーが出前館を利用できるようにする。LINEの人材も投入し、将来的にシステムやマーケティング体制を整え、さらにテイクアウト強化を図っていくとしている。
新型コロナウイルス下での、休校、リモートワーク、外出自粛といった一連の動きは、「追い風」というと語弊があるが、図らずも、同社の戦略を後押しする形となった。
ただし同社にとってはメリットだけではない。
感染リスク軽減の対策に気を遣っている
現在、出前館の配達代行事業における配達拠点は275カ所(2020年2月末)に上り、首都圏や近畿のほか、北海道、東北、中国、九州などの15都道府県に展開する。
これら各拠点では、感染リスク軽減の対策に神経を遣っている。
すなわち、配達員の検温から始まる体調管理、手洗い・うがい・アルコール消毒の徹底などのほか、店舗での商品受け取り前・お客に届ける前の手指消毒、マスク着用などだ。
そのうち今回は、都内中央区、江東区などの一帯を配達エリアとする、中央区日本橋の拠点を訪ねた。同拠点では、午前11時の営業開始直後から、ランチ注文に備えて自転車やバイクの配達員が続々と出動していく。
注文から配達の流れは、受注後、配達員が飲食店に赴き、料理を受け取って注文客の自宅に届けるというもの。
例えば江東区の豊洲辺りでは拠点から相当の距離があるが、あらかじめ現地に待機しておき、迅速に注文に応えられるようにしているという。
こうした出前サービスだけでなく、運送業を含めた配達員不足も深刻な中、いかに人員を確保しながら、サービス向上を図るかも課題となっているためだろう。
なお、現在の状況下では受注数の増加とともに配達員不足も懸念されるが、「ほかの飲食店などの営業休止で働き先がなくなってしまった方の採用も積極的に行っている」(広報担当)とのこと。
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