各メディアで報道されている通り、新型コロナウイルスによって日本の働き方に大きな変化が起きている。通勤混雑の回避や、休校による子どもの対応、外出自粛要請などを契機として、テレワーク・在宅勤務が一気に広がりだした。
パーソル総合研究所では、テレワークの実態について2万人を超える規模の緊急調査を実施した。安倍首相の要請により全国の多くの公立小・中・高で休校が開始されたのが3月2日。それから約1週間がたった3月9~15日に調査を実施した。サンプル数は2万1448人で、性別と年代の歪みを補正するために、国勢調査の数値を基にしたウエイトバック集計を行った。
推奨・命令されている人は2割強、実施割合は13.2%
テレワーク(在宅勤務)が企業から推奨されているのは18.9%、命令・指示されている割合は3.2%という数字になった。そして実際に従業員がテレワークを実施している割合は13.2%にすぎない。ただ、この実施率は47都道府県を均した数字であり、東京都だけでみると23.1%、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)でみると19.6%となる。
東京圏の朝夕の通勤電車の混み具合を思い出すと、実感と乖離しない数値ではないだろうか。テレワークを実施している人の中で、今回の新型コロナウイルス対策で初めてテレワークを経験した人は47.8%で、およそ半数となった。
異なる調査なので単純に比較できないが、総務省が2018年に行った通信利用動向調査(n=3353)におけるテレワークの年間経験率が全国平均で8.5%だったので、大幅に上昇している。簡易的に推計すれば、全国でおよそ170万人の正社員が現在勤めている会社で初めてのテレワークを経験したということになる。
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