東京の保育園「コロナ」で不安強まる現場の葛藤

23区は江東区以外で「育休延長」を緊急容認

新年度を迎えた保育園。東京23区では4月に入園が内定していた園児の入園延期が増加している(scAner/PIXTA)

「寂しい入園式でした。例年なら、5歳児が歌を披露して新しく入園してくる子たちを迎えますが、今年は感染防止のため中止。式も30分で終了です。何しろ、新入園児の数自体が当初予定より少なかった」

東京都新宿区で認可保育園を運営するある法人の園長は、今年の入園式の様子をこう語る。

新型コロナウイルス感染症の蔓延により学校が休校になる中でも、働く保護者を支えるために開所し続けている保育園。新年度を迎える4月は、通常なら1年のうちで最も多くの新入園児を迎える日である。

だが今年は様子が違う。足元では、休校中の子どもを持つ保育士が通常通り働けないことによる人手不足に加え、感染の拡大を受けて、家庭での育児が可能な家庭に登園の自粛を求めたり、長期の欠席を認める自治体が増えている。

入園時期後ろ倒しと職場復帰時期を延長へ

新年度を目前に控えた3月下旬以降増えてきたのが、4月に認可保育園への入園が内定していた家庭に対し、入園資格を維持したまま、登園開始時期を5月以降に後ろ倒しできる措置を取る自治体だ。3月6日の内閣府からの要請を受けての決定だ。とくに、感染拡大が深刻化する東京23区では、3月31日と4月1日の取材時点で22区が入園時期の後ろ倒しと、それに伴う保護者の職場復帰時期の延長を認めていることがわかった。

現時点では、多くの自治体が入園時期を5月、育休延長の期限を5月末~6月1日としている。職場復帰の時期が入園時期のあとに設定されているのは、保育園に新しく入園する場合は、入園から数週間、少しずつ保育の時間を延ばしていく「慣らし保育」の期間が必要だからだ。7月までの入園延期を認めた港区のように、事態の長期化をにらんで数カ月先までの対策を打つ自治体もある。中には、登園を延期した期間の保育料や副食費を減免したり、日割り計算で徴収するよう定めたりする自治体も増えてきた。

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