ひろゆき「いまだに1日8時間も働くことの疑問」 一生懸命の方向を間違えていないか

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あとは、僕が苦手な「女子トーク」とかも聞こえてきます。目的もなく、ただ話題が移ろうに任せて話すので「なんなんだ?」とは思いますが、ハタから聞いているぶんには面白いです。自分が参加するのは願い下げですけどね。

まあ、そういうのも含めて、電車移動は、人間観察が趣味の僕にとってひとつのエンタメみたいなものだと思います。

「働けば働くほどエラい」は本当か?

それに、そもそもタクシーに乗ってまで時間を確保しなくても、仕事ってなんとかなるんじゃないでしょうか。

自分の手を動かして物事をプラスにしていくというのは、どちらかというと、見えている結果に向かって「進んでいく」ということだと思うんですが、仕事でいちばん重要な部分は、そこじゃなくて「思いつく」ことです。

つまり、僕がしているのは、「こうしたらうまくいくよね」というアイデアを出すことであって、「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」と作業に追われることではないわけですね。

人間の脳は、あれこれといろんなことに頭を使っていないときのほうが思考しやすくできています。だから、うまくいく方法を思いつくのには、かえって電車移動中とか入浴中とかにボーッと考えるほうが適しているんじゃないでしょうか。

で、うまくいく方法さえ思いつけば、あとは僕が頑張らなくても、人に振ることで勝手に回り始めます。だから僕は、タクシーに乗ってまで仕事時間を確保する必要がないのです。

そもそも、やたらと仕事時間を確保したがる人が、すごくうまくいっているという話を、あまり聞いたことがありません。

「仕事にかける時間は、あればあるほどいい」というのは、要するに、時間を確保するほどに成果が上がるということです。でも、しょせん時間には限りがあるわけだから、その中で得られる成果には限界があります。

本当は、できるだけ時間をかけずに、より多くの成果を上げたほうがいいわけで、時間と成果を比例関係で捉えていること自体が間違っているんじゃないか。僕はそう思いますね。

例えば、僕の会社のプロジェクトで緊急事態が起きたとします。もし僕しか対処できなかったら、すぐに会社に戻って、自分で作業するなり判断するなりしなくてはいけません。当然、時間的コストがかかります。でも、最初から現場の判断で対処できるように仕組みを作っておけば、必要以上に時間をとられずにすむわけです。

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