必要なのは半歩ずつの歩み寄り、人との違いを意識することが第一歩--ダイバーシティ最前線・パナソニック電工

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 職種変更で仕事内容は一変。それまではコツコツ積み上げたり、人と人との連絡を取るといった仕事が多かった。それが、自分から働きかけて仕事を作っていくやり方に変わった。

さらに翌年、転機が訪れる。04年に女性活用を進めるため、女性躍進推進室(現ダイバーシティ推進室)が新設された。現場からのボトムアップの組織として全国29カ所に地区女性活躍推進委員会(地区委員会)も立ち上がった。川原さんは所属部門の地区委員として参加することになり、これがダイバーシティにかかわるきっかけとなった。

ダイバーシティ推進の効果は3つある

パナソニック電工ではダイバーシティ推進の効果は3つあると考えている。

(1)多様な発想を融合することでイノベーションが起こる
(2)顧客の多様なニーズにあった商品やサービスを提供できるようになる
(3)多様な人が働きやすい職場を作ることで優秀な人材を集めやすくなる

異なる発想を持つ多様な社員が融合することで、新しい考え方や価値が生まれる。それを顧客のニーズにあった商品やサービス提供につなげる。そして働きやすい環境を作ることで優秀な人材を確保する。その結果、さらに新しい価値が生まれていく。こうした循環で強い企業を作ることができると考えている。

ダイバーシティの成果事例の一つが、枕元に置く「イオンスチーマー」という商品。寝ている間にスチームでエステの効果が得られるというものだが、当初は四角い形で検討されていた。それを女性の企画担当者が枕元に置くインテリアとしても使えるように球体を提案。その後、配置方法にこだわり、男性、女性関係なく全メンバーが一体となって改良した。これが女性顧客に受け入れられるヒットにつながった。

多様な考え方を受け入れることで業務が発展する。ダイバーシティ推進で、こうした好循環を社内のあちこちで起こすことを狙っている。

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