「何も決まらない会議」には"推論"が欠けている "思考の背景"を共有すれば激変する

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会議で結論を出すためのディスカッションの際に大切な4つのポイントを紹介(写真:itakayuki/iStock)
最近、「会議」は悪者扱いされ、会社で減らすべき仕事の上位に入ることも多い。経営者の中には、会議不要という人までいる。生産性の低い会議など、誰も望まないのだ。
その一方で、世の中には時間もコストも無駄にするような会議が日々繰り広げられてもいる。会議を有効かつ効率的に運用するにはどうすればいのだろうか。『人間心理を徹底的に考え抜いた「強い会社」に変わる仕組み』の著者・松岡保昌氏が、「会議で結論を出すためのコツ」を提起する。

私は経験上、「会議」をシンプルに3つのタイプに分けている。それらの会議の効果や効率を高めるために、「会議で、何をしたいのか」という目的と、誰もが認識しやすく、日常で活用しやすいかという視点で整理した。具体的には、次の3つである。

1. 情報共有のための会議
2. 結論を出すための会議(ディスカッション)
3. 発想を広げるための会議(ブレインストーミング)

ここでは2つ目の「結論を出すための会議」(ディスカッション)の方法を提起したい。

「ディスカッション」4つのポイント

会社で行われる「会議」の中でいちばん多いのが、この「結論を出すこと」が目的のものではないだろうか。「会議」という名前をつけるほど大げさではなくても、2人以上が集まって、何かを相談して決める。それも立派な「結論を出すための会議」だと言える。

「結論を出すための会議」で、よく行われるのがディスカッションである。議論を深めて結論を出すことが主眼で、そのポイントは次の4点だ。

1. 自分の意見を言う

基本的なことだが、きちんと自分で考え、自分の考えを述べる。

2. 「推論のはしご」を共有する

自分の意見は、どんな事実や事象から、何を考え、どのように推測・推論して、その結論にたどりついたのかを、みんなが理解できるようにきちんと伝える。つまり、自分の意見としての結論だけではなく、思考のプロセスを含めて共有する。

3. 「結論」「理由」「具体例」「だから、どうすべきか」を端的に伝える

これは人に何かを伝えるときの必須項目である。

4. 相手の意見の背景を理解しながら議論を進める

話し手が、自分の思考のプロセスも含めて伝えるのと同時に、大切なのは聞き手の意識である。聞く側も、相手の意見の背景や理由、根拠を理解しようとしながら耳を傾ける。そのうえで、議論を深めるのだ。

次ページ1~4のうち、とくに重要な2点とは?
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