話し合って決めるチームがほぼ失敗する理由 リーダーは1人で決めよ、メンバーは支えよ
「3人寄れば文殊の知恵」にはならない
「3人寄れば文殊の知恵」と言いますが、チームをつくることにより、誤った意思決定をしてしまうことがあります。
アメリカの社会心理学者アーヴィン・ジャニスは1972年に「集団浅慮」という概念を提唱します。
「集団が選択肢を現実的に評価するよりも満場一致を優先させようとしたときに生じる、素早くかつ安易な思考」と定義されています。
例えば、1人で道路を渡る際には左右をしっかりと見渡し、信号を確認してから渡るにも関わらず、大勢の仲間と一緒に道路を渡る際には状況を確認せずに先頭の人についていく(集団の一体感を維持する)ことで、事故のリスクが高まってしまうことなどがあげられると思います。
ジャニスは太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃において、アメリカ軍には集団浅慮があったと分析しています。真珠湾攻撃の直前、ハワイ駐留のアメリカ軍司令官は本国から日本軍のハワイ攻撃の可能性を警告されていました。ところが、アメリカ軍の幕僚たちと合議する中で「そんなことはないだろう」という結論に至ってしまい、最後まで警戒を怠った結果、奇襲を受けてしまったのです。
このように、チームにおける意思決定について安易に捉えていると、大きな失敗に繋がる可能性があります。逆に、チームにおける意思決定方法について学ぶだけでパフォーマンスを大きく向上させることができるのです。
拙著『THE TEAM 5つの法則』でも詳しく解説していますが、チームの意思決定には3つの方法があります。
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