話し合って決めるチームがほぼ失敗する理由 リーダーは1人で決めよ、メンバーは支えよ
「正しい独裁」はチームを幸せにする
チームにおける意思決定については、「みんなで話し合って決めるのが良いことだ」と思っている人が多いです。世界の歴史において、かつては血統によって決まった王様や皇帝、将軍によって治められてきた国の統治システムを、「民主化」によって民衆の手に取り戻してきたからもしれません。
しかし、「みんなで話し合って決める」合議という意思決定方法の最大のデメリットは時間がかかる、ということです。逆に、リーダーが最終的な意思決定を下すでも良いですし、領域によって誰か意思決定する人をあらかじめ決めておくのでも良いですが、「誰か1人で決める」独裁という意思決定方法は圧倒的に「速さ」を担保することができます。
昨今は環境変化のスピードが速くなり、意思決定に時間がかかることはビジネスにおける致命傷となってしまう状況になってきています。
この数十年の中で日本企業の時価総額ランキングで上位にランクインしたソフトバンクやファーストリテイリング(ユニクロ)は孫正義さんや柳井正さんというオーナー経営者がトップダウンでスピーディに意思決定していることも、ビジネスにスピードが求められていることの象徴だと言えるでしょう。
逆に日本企業は、あらゆる意思決定を会議に委ね、誰かがリスクを背負ってスピーディに決断することができずに結果として苦境に立たされています。
これからはリーダーが1人で決めていくことが求められます。
では、独裁という意思決定手法はどのようにすればうまく行くのでしょうか?
独裁というのは決して誰からも情報収集をせずに、誰からの意見も聞かずに決めるということではありません。
意思決定者が必要な情報を十分に集め、さまざまな角度からの意見を聞いたうえで決めることは、意思決定の精度を高めるために非常に重要です。
しかし、そのうえで大切なことは、「良い意思決定」「正しい意思決定」にとらわれすぎずに、「強い意思決定」「速い意思決定」を意思決定者が心がけることです。
今、2つの選択肢からどちらかを選ぶという意思決定をしなければならないとします。
多くの場合、どちらかを選ぶメリットの大きさとデメリットの大きさは拮抗しています。
「レシーブ練習よりもスパイク練習が多いほうが良い」というようなメリットとデメリットのどちらが大きいのかについて意見が分かれるようなことに意思決定は必要だからです。
「チームのメンバーができる限りサボらずに練習に来たほうが良い」というような明らかにメリットが大きいようなことは意思決定の対象にすらなりません。
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