家の災害対策で「在宅避難」がカギとなる理由

最先端の備えを導入した「ZEH+R」も登場

災害リスクが年々高まるなかで、「在宅避難」を可能にするにはどんな対策が必要だろうか(写真:takasuu/iStock)

南海トラフ地震や首都直下型地震、巨大台風、集中豪雨など、日本では災害リスクがかつてないほど高まっていると言われている。そこで、住まいに関して現在できうる災害対策についてまとめてみた。今後、住宅を取得、あるいはリフォームを考えている方に参考にしていただければと考えている。

結論から言うと、重要とされる方向性は「在宅避難」が可能な住まいであることだ。従来にない規模の災害が発生した場合、相当の期間は政府や自治体、企業などからの支援が及ばない可能性が指摘されているからだ。

例えば2013年にまとめられた南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループによる報告書では、食料や飲料水などの家庭備蓄を1週間分以上確保する必要があるとしている。

学校の体育館などでの避難所生活はストレスを感じることが多く、高齢者や子どもを中心に体調を崩す人が増える。災害時の備えがある自宅で過ごせるのであれば、避難所よりは家族が比較的平穏に暮らせるだろう。ただし当然のことながら、自宅が倒壊していないことやその危険性がない場合に限る。

そして、そうした住宅と家族が増えることにより、復旧・復興もより円滑になるに違いない。このような背景から、在宅避難を可能にする住まいのあり方が、今、国や自治体の関係者、住宅事業者などで模索されており、以下では近年の新たな対策も含め紹介する。

耐震、免震、制震の違いとは

まず、構造面の災害対策から。これは大地震の揺れに対するもの主となり、「耐震」「免震」「制震」に分かれる。このうち耐震は建物が倒壊しないように強度を高めるもので、ほかの2つはこれを補完するシステムである。

ただ、耐震だけでは繰り返しの強い揺れに耐えられない可能性がある。また、建物の中にある家具や建具、家電製品などが転倒、飛散し、それによるケガなどのリスクを防げないというデメリットがある。

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