家の災害対策で「在宅避難」がカギとなる理由 最先端の備えを導入した「ZEH+R」も登場
そこで生み出されたのが免震だ。これは基礎と建物本体の間に装置(さまざまなタイプがある)を設置することで、建物に伝わる揺れを大きく減らせるメリットがあるものだ。家具などの転倒リスクも減らせるため、構造上最もハイレベルな地震対策と言える。
ただ、地盤や立地の条件や建物の形状などにより導入ができないケースがあることと、費用が数百万円単位と高額になるデメリットがある。制震は免震のそうした弱点を補うものとして開発されたものだ。
制震技術のメリット・デメリットは何だろうか。木造軸組住宅を例にすると筋交い部分に地震の揺れのエネルギーを吸収する部材(素材)や装置を設置し、構造躯体へのダメージを減らす効果があるものだ。敷地条件を選ばず、比較的安価で導入できる。そのため、現在では構造面で地震対策をより強化するための主流となっている。
デメリットは地震の揺れそのものは建物全体に伝わるため、基本的に家具などの転倒・飛散の防止に過度な期待ができないこと、上記の部材や装置が壊れる可能性があり、その場合、取り替える必要があるということだ。
以上は、新築の戸建て住宅向けだが、リフォームについても近年は制震を含め地震対策の手法が開発されている。比較的安価な対策として、寝室やリビングなど家族が過ごすことが多い場所を集中的に耐震化する仕組みも普及し始めている。
被害拡大を防ぐ火災対策
構造面に関連することで、火災対策についても重視したいもの。とくに都市の住宅密集地では延焼が広がることで被害の拡大や、避難が困難になることが予想されるからだ。
そこで、重要になるのは外壁を含めた耐火性能、さらには出火対策が施された設備機器の導入がより現実的な備えになると言われている。そして近年は、停電から回復した際の「通電火災」への備えの重要性が指摘されている。ホームセンターや通販で、自動でブレーカーを落とすアイテムが比較的安価で販売されているため、設置すると良いだろう。
次に、電気、水道、ガスといったライフラインが停止した際の備えについて。電気の確保については自宅で発電でき、導入コストも比較的安価な太陽光発電が第一の備えとなる。
災害時には設置した発電容量の一部しか、しかも雨の日と夜間は使えないが、電力消費が少ない家電、少なくともスマートフォンの充電には十分活用できるので、情報収集などに役立てられる可能性がある。
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