勉強を教える先生という立場であれば、ほかにも方法はたくさんあるのですが、親の場合は、次の「5つの用語」を使ってみることに限定するといいでしょう。
算数や理科といった科目には、基本問題というのがあります。それをただの問題としてみていると「つまらない」ものです。そこで、基本問題という言葉を「アイテム」に変えてしまいます。ゲームを攻略するために、アイテムを手に入れる必要があるのです。
基本問題がわかると、その派生的問題が解けるようになっています。また知識習得もアイテムの一種であり、それがないとテストというゲームを攻略できません。
基本問題、応用問題という言葉は、勉強で使う特有の言葉です。このような言葉の響きを多くの子どもたちはネガティブな言葉として捉えてしまうことでしょう。簡単な問題、難しい問題という意味と捉えると、どちらもポジティブには聞こえません。
基礎問題はベーシック版、応用問題はアップデート版と言葉を変えます。アップデートするかしないかは、子どもの判断です。しかし、多くの子どもたちは手強い応用問題はやりたくないが、アップデートはしてみたい、という感情を持ちます。そのことを知っておくといいでしょう。
ゲーム好きな子に勉強させる“攻略法”でもある
答え合わせをしたときに解説を見ますが、積極的にこれを読もうとする一部の子どもを除いて、大半の子どもたちは、見たくもありません。しかし、この解説が「攻略法」であったとしたらどうでしょうか。積極的に解説を読む子の目には、これは「攻略法」として映っています。ですから、「解説を見てごらん」と言うのではなく「攻略法を見てごらん」と言ってみるのです。
勉強をするうえで、勉強の計画というものが必要です。多くの子どもたちは計画を立てなさいと言われると、いやいや書くか、書かないかのいずれかになります。そもそも計画の立て方を教えてもらっていないという根本問題もありますが、いずれにせよ、計画を立てることは面倒であると考えます。
しかし、この「勉強計画」という言葉を「ゲームプラン」と言い換えます。ゲームを攻略するにはゲームプランが必要で、プランなしに最短でゴールには到達はしません。「勉強計画を立てよう」ではなく「ゲームプランを立てよう」と言ってみます。
時間を計って問題を解くとき、時間になると解答終了となります。多くの子どもは「やっと終わった」と感じ、もう1回やろうとは思いません。しかし、ゲームが終了し、ゲームオーバーとなり、得点が表示されると、悔しくてもう1回やるというようになります。
そこで「解答終了」ではなく、「ゲームオーバー」と言ってみます。もちろんやっていることは勉強なので、もう1回やりたいとは思わないかもしれませんが、少なくとも無機質用語である「解答終了」というよりは、「ゲームオーバー」という言葉の響きのほうが、またチャレンジするという感覚を引き出す可能性が高まります。
ゲームが好きな子は、このような用語にとくに敏感です。使用される用語が変わっていけば、勉強に対する見方も変わることがあります。これまで筆者が授業という形で行ってきたときに使ったアプローチですが、ぜひご家庭でも試してみてください。何かしらの反応があると思います。
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