あのパナソニックが担う「トンネル換気」の凄み

有害物資を除去、インフラ支える陰の主役

トンネルの換気装置でパナソニックは高いシェアを誇っている(記者撮影)

長いトンネルの上部に一定間隔で設置されている白い筒型の機器。一見すると旅客機のエンジンだったり、巨大な扇風機にも見える。

「ジェットファン」と一般的に呼ばれるこの機械は、トンネルを安全に通行するために欠かせない換気設備だ。パナソニックグループのトンネル換気事業などを手がける「パナソニック環境エンジニアリング」は、2020年春の全線開通を目指して工事が進む阪神高速道路大和川線のトンネル換気事業を受注している。

複雑なトンネル換気の構造

大和川線は大阪府堺市と松原市の全長約10㎞を結ぶ路線で、パナソニック環境エンジニアリングの受注額は同社としては過去最高となる約77億円にのぼる。換気システムの設計からジェットファン78台をはじめとする換気設備一式を納入する。

普段、車を運転してトンネルを通過する際には換気設備の一部であるジェットファンしか見る機会がない。しかし、トンネル換気の構造は複雑だ。

まず、センサーによってトンネル内の交通量や風速、空気中の有害物質の濃度を計測する。計測したデータをもとに、換気するのに必要な台数分のジェットファンを回し、トンネル内に空気の流れを作り出す。ジェットファンは1分間に1200回転し、平均で風速毎秒35メートルの風を生むことができる。

トンネル内の空気は、この風によってトンネルに隣接している換気所に排風口を経由して送り出される。換気所では、自動車の排気ガスなどに含まれる有毒物質の塵などを電気集塵機で除去し、浄化された空気は排風機を通ってトンネル外に排出される。

パナソニック環境エンジニアリングはジェットファンだけでなく、トンネル内の様子を計測する各種センサーや電気集塵機なども生産している。とくに電気集塵機は国内で初めて開発に成功し、国内シェア6割を誇る。ジェットファンの納入実績も累計2000台近くにのぼり、トンネル換気事業で国内トップクラスだ。

1997年に完成した東京湾アクアライン(川崎市ー木更津市)にも同社の集塵機が採用されている。

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