伸びる子は「知識の杭」をたくさん打っている 本物体験によってできる「学習のレディネス」

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天体望遠鏡で本物の惑星を見る、博物館で体験をする……そんな「本物体験」をお子さんにしてあげたことはありますか? (写真:KusayaDaisuki/PIXTA、写真はイメージ)

今回は、どんな子でも自然に勉強が好きになり、学力が上がるとっておきの方法を紹介します。

いきなり質問ですが、あなたはテレビの映像ではなく、実際に天体望遠鏡を通して本物の土星を見たことがありますか? 私は見たことがあるのですが、漆黒の宇宙に宝石のように美しく浮かんでいました。本当に神秘的な美しさですごく感動しました。テレビの映像では感じられないようなインパクトで、いいおじさんの私でも感動しました。これが感受性の強い子どもならなおさらだと思います。

このような本物体験をした後は、土星に関する情報に無関心でいられなくなります。

本物体験によって「知識の杭」が打ち込まれる

テレビで「土星の4つの衛星をハッブル望遠鏡がとらえました」というニュースが流れれば、「土星だって! 見た見た。衛星って何だ? ハッブル望遠鏡て何だ?」というように耳を傾けるようになります。図鑑をめくっていて土星が出てくれば、「あ、土星だ。見た見た。なになに……、土星の輪は岩石と氷でできている……。へえ、そうなんだ。あのきれいな輪は岩石と氷なんだ」と一生懸命読むようになります。

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本物体験による強烈なインパクトがあったから、こうなるのです。もし、それがなかったら、こういった情報はすべて流れ去ってしまいます。

例えて言えば、流れる川に1本の杭を立てるのと同じで、杭があればいろいろなものが引っかかります。杭がなければすべて流れ去ります。

ですから、私はこれを「知識の杭」と呼んでいます。実際に土星を見るという本物体験によって、生活という流れる川に知識の杭が打ち込まれるのです。知識の杭は、図鑑、学習マンガ、動画などいろいろな方法で立てることができますが、本物体験が最も効果的です。

次ページ杭に知識がたまると、授業にも積極的に臨むようになる
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