「出世ばかり考える人」が結局、成功しない4理由 上司の前だけ「いい顔」…あなたは大丈夫?
「出世」は自分の理想を実現する手段の1つだった
新興企業のつもりでいた弊社ディスカヴァー・トゥエンティワンも、気がついたら来年2020年で創業35周年になる。
この仕事をしていて、時代の流れはつねに感じている。働く若い人たちの意識の変化についても、そうだ。
まず学生。「安定志向」で、「生涯、安泰に暮らそう」という守りの姿勢の人が増えている一方で、新卒のときから、「いずれは自分も起業を」と転職を当然のものとして、最初の就職をかつてほど深刻に考えない学生も増えているように思う。
入社後も、定時退社や副業を率先して行い、結婚して子どもができれば、男性社員も育休や時短勤務を申請するのが、普通になってきた。要するに「昭和的出世」、言ってみれば「島耕作的世界に憧れる時代」は終わった、のである。
しかし、それでも組織に数年もいれば、多くの人が「やっぱり出世したい」と考えるようになる。なぜなら、地位を得れば、裁量権や責任・権限が増え、「正しい」と思ったことがより多く実行できることが見えてくるからだ。
例えば、出世競争の権化的職場ともいえそうな官僚の世界でも、若手官僚たちはみな、国のためと志に燃えている。少なくとも私の知っている多くの人たちは。出世は「その理想を実現するための手段」だった。
けれども、「手段は目的化する」のが常。エントロピーの法則と同じくらい強力だ。で、組織の大小を問わず、何割かの人が、「出世ばかり追いかける人」になってしまっていることに気づく。それによって、かえって出世から遠のくことが多いにもかかわらず。
では、なぜ「出世ばかり追いかける人」は結局、成功しないのか。ここでは主な4つを挙げてみる。
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