「キーボードが打ちづらい」人が知るべき超知識

「Mr.キーボード」にその原因を聞いてみた

“Mr.キーボード”が語る、キーボードの知られざる世界とは?(撮影:梅谷秀司)
この連載では、社業を極める「オタク」たちに焦点を当てている。そこには、“好き”を仕事にする、仕事を好きになりたい人へのヒントがあるのではないかと思うからだ。
今回インタビューしたのは、富士通クライアントコンピューティングの藤川英之さん。彼の肩書は“Mr.キーボード”。あだ名ではなく、これが正式な肩書なのだ。富士通ブランドすべてのキーボードを統括している。キーボードを打つとき、人は無意識に何をしているのか、彼は鋭く観察する。打ちやすいキーボードとは何かに迫る。

打ち漏らしの原因は、キーボードかもしれない

藤川さんの肩書は、Mr.キーボード。2016年10月から始まった取り組みだ。それまで富士通パソコンのキーボードはパソコンごとに開発されていた。そのため、同じシリーズのノートパソコンでも、“書き味”が変わってしまっていた。これを統一するために、設けられたのがMr.キーボード制度だ。

“Mr.キーボード”富士通クライアントコンピューティングの藤川英之さん(撮影:梅谷秀司)

――以前は、パソコンごとに書き味が違っていたということですが、具体的にはどのくらい違っていたのでしょうか?

バラバラ感をどう表現するかは悩ましいところですが、例えば、ストローク(キーの深さ)で言うと1ミリ、1.2ミリ、1.5ミリ、1.6ミリなど、たくさんの種類がありました。それぞれのパソコンに合わせてチューニングした結果なので、必ずしも悪いとは言いきれませんが、ユーザーによっては「こっちはよかったのに」という感想を持ちます。

――「買い換えたら、キーボードが打ちづらくなった」という声が上がってきていた?

そこまではっきり認識される方はあまりいません。例えば「あれ?なんか打ち漏らしたな」「また打ち漏らしたな」が積み重なって、なんとなく使いづらいという印象になります。

――ユーザーが感じる「なんとなく使いづらい」の原因を、分析しないといけないんですね。

そういうことです。2017年に、あるメディアに史上最低と評価されてしまったキーボードがあります。このキーボードはストロークが少し浅めでした。そのため押したときのクリック感が重くなっていたんです。軽く打てるキーボードのほうが、当然疲れません。

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