打ち漏らしの原因は、キーボードかもしれない
藤川さんの肩書は、Mr.キーボード。2016年10月から始まった取り組みだ。それまで富士通パソコンのキーボードはパソコンごとに開発されていた。そのため、同じシリーズのノートパソコンでも、“書き味”が変わってしまっていた。これを統一するために、設けられたのがMr.キーボード制度だ。
――以前は、パソコンごとに書き味が違っていたということですが、具体的にはどのくらい違っていたのでしょうか?
バラバラ感をどう表現するかは悩ましいところですが、例えば、ストローク(キーの深さ)で言うと1ミリ、1.2ミリ、1.5ミリ、1.6ミリなど、たくさんの種類がありました。それぞれのパソコンに合わせてチューニングした結果なので、必ずしも悪いとは言いきれませんが、ユーザーによっては「こっちはよかったのに」という感想を持ちます。
――「買い換えたら、キーボードが打ちづらくなった」という声が上がってきていた?
そこまではっきり認識される方はあまりいません。例えば「あれ?なんか打ち漏らしたな」「また打ち漏らしたな」が積み重なって、なんとなく使いづらいという印象になります。
――ユーザーが感じる「なんとなく使いづらい」の原因を、分析しないといけないんですね。
そういうことです。2017年に、あるメディアに史上最低と評価されてしまったキーボードがあります。このキーボードはストロークが少し浅めでした。そのため押したときのクリック感が重くなっていたんです。軽く打てるキーボードのほうが、当然疲れません。
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