また、荷重が重めの場合、小指で押しに行くときに力が足りなくなります。本人は押しているつもりなのに、押せていないということが起きます。とくに評価した方が、かな入力でしたので、「む」「へ」など、小指を使う頻度が高いんです。これも理由の一つと考えています。
強く打つ癖も、キーボードが原因の可能性
――キーボードを打つ強さは、人によって違いますよね。キーが重いほうが打ちやすいということはないのですか?
強めに打っている人は、おそらく強く打たないと入らないことがあるからです。「あれ?入ってない」と思うことがあると、強くたたくなど、無意識で回避するようになります。
荷重が軽いと疲れないのは当たり前です。軽く打てて、それで確実に入力できるキーボードは当然疲れません。長文を打ったあとの疲労感に、とくに差が出てくるはずです。
――ラクに打つ方法というのもあるのでしょうか。藤川さんは、どういうキーボードの打ち方をしていますか?
私は、滑らせる打ち方になっています。デスクトップのキーボードを使っていた人は、キーボードを突く感じの人が多いです。けれども、今のノートパソコンのキーボードは薄いので、キーの上を滑らすような打ち方になります。これが自然に変わっている人と、変わっていない人がいます。
ですので、デスクトップキーボードを打ち慣れている人は、ノートパソコンの薄いキーボードを触ると、打ちづらいと感じることがあります。突くタイピングで、小指の端っこでピッとキーの端を打つと、打ったはずなのに入っていないということがノートパソコンでは起きやすいんです。
――自分は“突く”タイピングをしていますね。ボタンを押すイメージに近いです。“滑らせる”タイピング、キーの表面をなでるように入力するとは考えたことなかったですね。
会議中にこっそり資料を作るなど、静かに打とうとしていると、滑らせるように浅く打つ癖がついてきます。とくに、当社の最新のノートパソコン、LIFEBOOK(UHシリーズ)などに導入したキーボードは、「入力できた」と感じた瞬間に入るようになっています。ですので、慣れてくると比較的浅く打つようになります。
――“入力できたと感じた瞬間に入る”とは、どういうことでしょう?
入るとは、つまりパソコンに入力される、ということですが、ゆっくりキーを押してみるとわかります。キーボードは押すに従ってだんだん力が強くなり、あるところでコリッとした押した感じがします。そのコリッとしたあとも、しばらく押せる距離があります。また、あるところ以降は重くなります。本当にゆっくり押してみてください。
ノートパソコンで使われるキーボードでは、構造の制約上、コリッとしたあとにしか入力を検出できません。この検出タイミングを「コリッと押した感覚の時に絶対入っている」ところに設定しています。それ以上押していっても押せますが、コリッとした時にはもう入力されているんです。
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