腸内に「やせ菌」を増やす3つの食べ物はこれだ 健康的にやせるために必要なこと
腸を正しく整えれば、健康的にやせることは実は難しくない。
というのも、腸内環境の改善は、悪玉菌の増殖を抑制し、善玉菌や日和見菌を増やすことにつながり、「やせ菌」を増やすことにもつながるからだ。
「やせ菌」を増やすには
「まずは食物繊維をしっかりとって」とアドバイスするのは、大妻女子大学の青江誠一郎教授(栄養学)だ。なぜ、食物繊維を食べるとやせるのか。
「食物繊維は胃の中で腹持ちがよくゆっくり消化されるので、食べ過ぎ防止になります。水溶性食物繊維はネバネバしているので、小腸では糖質や脂質の過剰な吸収を防いでくれます。大腸では、善玉菌や日和見菌がエサとして食べます」
善玉菌や日和見菌が食物繊維を分解し、発酵させる過程で「短鎖脂肪酸」という酸を出す。短鎖脂肪酸とは、身近でいう酢酸や酪酸のことだ。酸には悪玉菌を抑制する働きもある。
この短鎖脂肪酸を作りやすい代表的な腸内細菌こそ、善玉菌と共生する日和見菌、バクテロイデス門のバクテロイデス属だ。さまざまな研究でやせ型の人に多く検出されており、いわゆる「やせ菌」と呼ばれている。
食物繊維をたくさんとると、食物繊維が大好物である善玉菌と日和見菌が共生して増え、やせ型の腸内細菌叢になる。生成される短鎖脂肪酸も増えるので、やせやすくなる。
「短鎖脂肪酸が腸から吸収されると、脂肪組織がそれを感知し、脂肪を燃やしてくれるといわれています。また、短鎖脂肪酸がたくさん発生すると、小腸から『インクレチン(GLP‐1)』というホルモンが出ます。このホルモンには食欲を落とす効果もあります」(青江教授)
全身の交感神経節にある短鎖脂肪酸のレセプターに短鎖脂肪酸が結合して交感神経節が刺激され、代謝も上がるという。