腸内に「やせ菌」を増やす3つの食べ物はこれだ 健康的にやせるために必要なこと
「レジスタントスターチは不溶性なので、腸の奥のほうまで届きます。腸の奥のほうには、ビフィズス菌など大切な菌がたくさんいます。腸内環境にとっては、大腸にいかに糖を届けるかも重要です。でんぷん=糖質でありながら、消化されずに、奥まで届き、まるで食物繊維のように腸内細菌に食べてもらえるんです」(青江教授)
レジスタントスターチは、インゲン豆などの豆類やイモ類、コーンフレークなどシリアルに多く含まれる。コメやもち麦(もち性の大麦)にも含まれているが、「冷えたご飯」のほうがより多くのレジスタントスターチをとることができるという。例えば白米なら、炊きたてよりもさめた状態のお弁当やコンビニのおにぎり、すしなどがおすすめだ。
「冷えることにより、でんぷんの分子が結合して固まるからです。レジスタントスターチは血糖の上昇を抑える働きもあります。インスリンの分泌がゆるやかになり、脂肪がつきにくくなる。食物繊維と同様に、脂肪の蓄積を抑制する短鎖脂肪酸を作り出すことにも関わっていることが明らかになってきています」(順天堂大学医学部教授・小林弘幸医師)
やせ菌を増やす食べものの3つ目は、「発酵食品」だ。東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎医師は言う。
「発酵食品を食べると、善玉菌と善玉菌に加勢する日和見菌が腸内に増えます。腸内で善玉菌が優勢になると、免疫力が上がります。乳酸菌は腸内の悪玉菌を抑え、善玉菌の働きを高めてくれます」
代表的なものは、味噌、納豆、ぬか漬け、キムチや、ビフィズス菌などの乳酸菌を含むヨーグルトなど。醤油や酢などの調味料も発酵食品だ。
おすすめの腸内環境改善レシピ
発酵食品は、とり方にもコツがあるという。
「プロバイオティクスと、プレバイオティクスを、あわせてとってほしいのです」(藤田医師)
プロバイオティクスとは、体によい影響を与える細菌=ビフィズス菌や乳酸菌などを含む、いわゆる発酵食品のこと。プレバイオティクスとは、タマネギ、ブロッコリー、海藻類やイモ類など腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食材のことだ。
ほかにも、腸内環境改善に効く食品はある。キャベツは水溶性より不溶性食物繊維が豊富に含まれるが、藤田医師は、そのキャベツの千切りに酢をかけて食べる「酢キャベツ腸トレ」をすすめている。
「キャベツには免疫力を高め、活性酸素(強い酸化力で体内のものを劣化させる)を抑える働きがあります。また、食物繊維も豊富です。がんを抑える食物の優先順位を示す『デザイナーフーズ・ピラミッド』でも、全食物中、ニンニクに次いで2位です」
朝昼夕の食事に1日1回、100グラム(小皿に山盛り程度)の酢キャベツを加えるだけでいい。藤田医師の実験では、2週間、1日1食の食前に酢キャベツを食べたところ、体重が2.5キロ減り、ウエストが8センチ細くなった女性の例もあるという。
「やせ菌は努力しだいで簡単に増やせます。ただし、努力をやめるとまた太る。継続が大切です」(藤田医師)