ミスを極度に恐れる人が「実は損している」理由 焦って保身に走るほうがかえってよくない

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「そこから何を学ぶか」のほうがはるかに重要です(写真:Pangaea/PIXTA)
ミスや失敗はしないほうがいい――。そうはいっても、日々仕事をしている中では、やむを得ず起こってしまうものです。このようにビジネスにおけるリスクともいえるミスや失敗ですが、その対処によっては実は「評価を上げる」ための最短ルートになりえます。ミスや失敗から大きな成長をもたらす方法を、『ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?』の著者・飯野謙次氏が解説します。

「失敗は成功のもと」

「ミスを恐れず、どんどんチャレンジしなさい」

「失敗を恐れて小粒になるのが、一番よくない」

仕事をしていると、よく、このように言われます。たしかに、会社で活躍している人たちは、皆、失敗を恐れず伸び伸びと仕事をし、しかも成果を出しているように見えます。

しかし、世間を見回してみるとどうでしょうか?

たった1回の失敗で、次へのチャンスを失ってしまった人。ミスが考課に響いてしまった人。ちょっとしたことなのに、何度も叱責してくる上司……。

どうも、「失敗を恐れるな」と言われる割に、いざ失敗した先には、明るくない未来が待ち受けているように見えます。

ですから、ビジネスで成功するために「とにかくあらゆる手段を講じて、ミスを徹底的に排除する」というのは、1つの有効な手段といえるでしょう。

出世が速い人ほど「ミスを愛する」3つの理由

しかし私は、「失敗した!」「しまった!」と思ったときこそが、ビジネスパーソンに最も大きな成長をもたらすチャンスであると考えています。それには、3つの理由があります。

1つ目の理由は、人が「もっとうまくやろう」「能力を向上させよう」と最も強烈に思うのが、「うまくいかないとき」だからです。

実際、ミスや失敗をしてしまったら、それを客観的に観察し、原因を分析して根本的な解決を図る必要があります。ミスや失敗に対してこのように向き合うのは、言うは易く行うは難し。ですが、このプロセスを経た先には、必ず、対応力や思考力、計画力、分析力などの向上が待っています。

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