ミスを極度に恐れる人が「実は損している」理由 焦って保身に走るほうがかえってよくない

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例えば、私は最近、東京大学内の業務で、ラズベリーパイを使って有機溶媒ガスの濃度の多点測定を試みましたが、思い通りに動作せず、しかもラズベリーパイをショートさせてしまう……という失敗をしました。その原因は簡単にいえば、自身の「学習不足」に「計画不良」、さらには焦りと雑念による「注意不足」がありました。

こうして原因が明らかになれば、その対策をするのは難しくありません。私の場合は、ラズベリーパイと入出力ピンの扱いについて学び直し、全体の計画の見直し、そして各作業ステップごとに動作確認をすることで今回の失敗を乗り越えることができました。

こうして私は1つ失敗をしましたが、次回の同様の業務の際に留意すべき点として3つのポイントを押さえることができたわけです。

このような積み重ねこそが、私の業務遂行能力の向上であり、ひいてはビジネスパーソンとしての成長をもたらすことは、間違いありません。

ミスの先にこそ「自分にしかできない仕事」がある

2つ目の理由は、そもそも「新しいものを生み出す」「付加価値をつける」「仕事で成果を上げる」というのは、「これまでできなかったことができるようになる」過程で実現することだからです。

とくにこれは、ものづくりや工学、ITの現場においていえることかもしれませんが、「初めからすべてがうまくいく」ならば、それは「すでにあった技術」「すでにできあがっていたもの」でしかありません。それをただ繰り返しているだけでは、新しいものを生み出すことも、付加価値をつけることもできないでしょう。

誰でもできることを自分もできたからといって、評価が上がらないのは当然です。

逆に言えば、失敗やミスをしたときこそ、そこをどうにかして乗り越えることが、オリジナリティーや付加価値につながるといえるのです。

あるいは、事務的な業務においても、これは例外ではありません。

私たち人間というのは、個性はもちろんありますが、皆、似たような傾向を持っています。交通事故が起こりやすい交差点があるように、多くの人がミスをしやすいポイントというのがあるのです。

ある人が事務作業の中で犯したミスは、もしかしたら、「誰もがミスしやすいポイント」かもしれません。そこに「ミスを繰り返さない仕組み」をつくり、導入すれば、「ミスした人」ではなく「ミスをなくす仕組みをつくった人」になります。そうした日常業務における一工夫こそがクリエーティビティーであり、仕事の付加価値である、というのは言うまでもありません。

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