マイクロアド、Criteo、Rocket Fuelはダイレクトマーケティングに強く、フリークアウトはブランドマーケティングに強いと佐藤氏は言う。
「ダイレクトマーケティングの市場だけでもかなり大きいため、十分な売り上げが立ちます。しかし、ダイレクトマーケティングは会員登録などの成果指標に応じてターゲットを刈り取るため、焼畑農業化しやすい。CPAを最適化する運用は、突き詰めれば事業者によってさほど差は出ません。ブランドマーケティングではCPAに限らない顧客のマーケティング課題を定義し、時にコンサルテーションも挟みながら運用していきます。そのほうが顧客へ提供できる価値が高いと感じ、当社ではブランドマーケティングに力を入れています」
どちらのタイプのDSPがよいというわけではなく、複数社併用して利用する企業が多いようだ。
フリークアウトの従業員は、広告会社ということもあり、広告代理店経験者が転職で入社するケースが多いかと思いきや、SIerの営業職やクライアントサイドのマーケティング経験者のほうが多いという。
「SIerの営業職出身者は、システムのカスタマイズなど考える分量が多い仕事に従事していたため、マーケティング課題を顧客と考えるコンサルティング営業になじみやすい。一方で広告代理店経験者はメディアプランニングが主な仕事。そうした業務はRTBにより機械的に自動化されたので、何をしていいかつまずいてしまう場合もあります」
従来の広告代理店営業職とは異なるスキルが、RTB広告を扱うプレーヤーには必要なのかもしれない。
ビッグデータ活用が成長のカギ
フリークアウトのようなDSP事業者は秒間に数十万回の広告リクエストを処理し、そのデータを保有するというビッグデータ銘柄としての見方もできる。RTBを株式市場と見立てると、広告リクエスト数が株の取扱高数となる。RTBが普及するにつれ広告リクエスト数は増大し、どの閲覧者がどんな特性を持っているかのデータが蓄積されていく。閲覧者が一度見たページを追跡するリターゲティング広告とDSPは混同されることも多いようだが、データの活用の仕方が異なる。
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