SSPはメディアの収益性を平均20%上げるツール
SSPは媒体社(メディア)の広告枠の販売や広告収益の最大化を支援するツールと、一般的には言われている。
最近、注目されているのは、前回のフリークアウトの記事内で紹介したRTB(リアルタイムビッティング)方式での販売だ。メディアはAdSense(アドセンス)のようなSSPが発行するタグを広告枠に入れ、広告を表示させる。その広告枠に対して、そのメディアを閲覧しているユーザーの情報を基にして、RTBでDSP(ディマンド・サイド・プラットフォーム)から入札が入る。広告主側を押さえているのがDSPで、広告枠側を束ねているのがSSPだ。
多くのオンラインメディアは広告枠に純広でなければ、グーグルのAdSenseを入れているところが多いであろう。ただし、AdSenseは、よほどPVが多いサイトなどグーグルと特別な契約があるメディア以外は、1ページで表示可能なAdSense枠は最大3枠である。かつAdSenseは規約が厳しく、メディアによっては掲載を許可されないこともある。
「ジーニーのようなSSPを入れると、広告枠数にとらわれることなく自由に広告掲載ができ、媒体の収益向上が見込めます。そのため導入前後を比較すると平均20%程度収益が向上が見込めます」(工藤氏)。
SSPの競争優位性とは何か?
SSPビジネスの競争優位性は、広告表示先となる取引メディア数と出稿主である提携DSP数といえる。技術力も多少の差はあれども、最終的にはいかに多くの取引メディアを開拓し、そのメディアの収益最大化を図るために多くのDSPと接続できるかがカギだ。
まずメディア側を考えると、メディアが表示させることができる広告枠数は限られている。SSPを導入する際は大型メディアほど複数社を試し、最終的に1、2社に絞るようだ。その後のスイッチングコストは比較的高いように思える。SSPの競争優位性に関して工藤氏はこう語る。
「メディア側の収益を最大化するには、RTBで入札単価が上がることが好ましい。入札単価を上げるには入札に参加するDSPが多い方が上がりやすいので、SSPの最大の競争優位性はDSPと多く接続することによる『収益還元力』にあります」
※ 記事初出時、Google AdSenseリセラープログラムの説明の箇所で誤りがございました。お詫びして削除・修正いたします。
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