次にDSP側を考えると、メディア側の収益を最大化するには、RTBで入札単価が上がることが好ましい。入札単価を上げるには入札に参加するDSPが多いほうが上がりやすい。SSPの最大の競争優位性として、DSPを多く持つことによる「収益還元力」にあると、ジーニーの工藤社長は語る。
ただ、DSPはSSPを通して広告主の出稿先を探しているため、むしろ多くのSSPと提携したほうがメリットになる。ゆえに、SSPはDSPと多く提携したとしても、提携したDSPと独占的な契約になることは考えにくい。DSPは提携SSPを後々増やしていくであろうことから、SSPによる提携DSP数は中長期的にみるとさほど競争優位性にはならないと筆者は考える。
ちなみに日本国内の主要SSPはジーニーのほかに、スタートアップではKauli、大手の参加ではサイバーエージェント子会社のマイクロアドが提供するAdFunnelがある。
今回取材したジーニーに関しては、グローバルのDSP事業者とも多数提携しており、ジーニーSSPを利用するメディアの中で、海外ユーザーが多いサービスもあるだろう。彼らにとっては海外からの広告主の収益機会もある点は、メリットになる。また、SSP専業事業者であることから、メディアやDSP開拓の営業力に自信を持っているようだった。
最後に、SSPの収益構造は下記の図のようになる。
DSPの手数料率は30%前後、SSPの手数料率は20%前後といわれている。SSP事業者の売り上げの算出の仕方として、広告表示単価(impression:impと略されることが多い)を0.01円(2chまとめのような個人サイトは0.01円、法人サイトは0.1円が相場とされている。PV規模が大きいであろうことから、今回は個人サイトの相場を適用)、1000回表示(Cost Per Mille:CPMと略)を10円とすると(その価格がSSPでの平均単価)その単価に各SSPの取り扱いimp数を掛けると、売上高になる。
月間imp数:100億
売上高:1億円
粗利:2000万円
Kauliは2013年9月末時点で月間imp数が160億という数字が出ている。(Kauliプレスリリース)
ジーニーに関しては160億impより多く、導入している媒体は国内約2000、海外約400とのことだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら