「ごちクル」は宅配弁当のアマゾンになれるか 宅配弁当eコマースの雄、そのポテンシャルを探る

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 スタートアップという言葉が日本でも定着し始めてきた。スタートアップのサービスは目新しいサービスに見えても、そのビジネスモデルは何種類かに分類することができる。そのサービスの事業領域の伸びがどれくらい見込めるかという点と併せて、そのビジネスモデルを本連載で紹介していく。
 第3回は宅配弁当・配達・デリバリーの総合サイト「ごちクル」を運営するスターフェスティバルを取り上げる。同社は2013年8月にはジャフコからの10億円の大型資金調達を実施し、2014年1月現在は東京以外に札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡に支社を設け、全国展開を始めている。オンラインの弁当屋という、誰もが思いついて実行できそうなサービスの裏側に隠された競争優位性に迫る。
スターフェスティバルで「ごちクル」を主催する濱野亜紀氏

弁当は560ブランド、叙々苑も参加

ごちクルは楽天を退職して起業した岸田祐介氏が、大手町や青山などのランチ需要が高いオフィス街でランチ難民が多かった点に着目して始めた事業だ。最初はお弁当を販売するワゴンを尾行して、郊外の工場を発見し、弁当作りの仕組みの解明に努めた。当初は店舗を持たない弁当製造工場を開拓し、インターネット上におのおのの架空店舗を作って販売した。取り扱い架空店舗数は100店舗まで伸びた。そこからモール型事業であるごちクルの舵を切り、資金調達を実施し急成長を遂げた。

ごちクルでは今までのような弁当製造工場からの提供のみならず、飲食店に弁当のデリバリー事業参入を呼びかけ、取り扱い弁当数を増やしていった。飲食店がごちクルを利用して弁当デリバリー事業に参入するメリットを、ごちクル主宰の濱野亜紀氏はこう語る。

「主に3つのメリットがあります。まず飲食店のランチタイムのキッチン稼働率を上げられ、空き時間を有効活用できる点。次に余った食材の有効活用です。仕入れのロットが大きいほうが食材を安く仕入れることができます。最後にごちクルは2日前に予約を受ける受注販売で、ごちクルへの支払いは成果報酬です。導入初期費用もなく、飲食店がごちクルを利用してデリバリー事業に参入するハードルは低く、当初から比較的スムーズにお取引を始めることができました」

ごちクルには調理師資格を持つ社員が所属する商品開発チームもある。弁当デリバリー事業の経験がない飲食店でも、商品開発チームがノウハウを提供しながら、共に商品開発から考えることもできる。叙々苑游玄亭が有名飲食店第1号。誰もが知る有名飲食店の取り扱いも増え、ごちクルでしか取り扱っていないブランドもあるという。2014年1月現在では560ブランド6300種類の弁当を取りそろえる。

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