人気沸騰のじげん、利益率5割超えの秘密 バーティカルメディアというドル箱事業

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
 スタートアップという言葉が日本でも定着し始めてきた。スタートアップのサービスは目新しいサービスに見えても、そのビジネスモデルは何種類かに分類することができる。そのサービスの事業領域の伸びがどれくらい見込めるかという点と併せて、そのビジネスモデルを本連載で紹介していく。
 第2回は2013年11月22日に上場したばかりのバーティカルメディア事業を手掛けるじげんを取り上げる。2013年3月期の売上高は約11億円で営業利益約6億円。リブセンスを彷彿とさせるようなメディア事業ならではの収益性の高さが注目を集め、上場後の時価総額は800億円を超えている。記事リリース日現在は840億円という加熱ぶりだ。じげんが手掛けるバーティカルメディアとはどのようなビジネスモデルなのかを紹介する。

ユーザーの煩わしさを解消した転職EX

「バーティカルメディア」というのは、その名のとおり特定のジャンルを取り扱うメディアだ。じげんでは〇〇EXというシリーズのメディアを約15サイト保有している。代表的なサイトは「転職EX」。さまざまな転職サイトの情報を一手に集約した転職情報に特化したメディアだ。

転職EXに情報を提供しているメディアは、リクナビNEXT、DODA、マイナビ、en、@type、Greenなど有名どころが名を連ねている。これらのサイトはなぜ転職EXに情報を提供するのだろうか。

転職関連は市場が大きく、検索する人も多い。転職サイトは上記に挙げた以外にも数多く存在するため、事業者は自社メディアへの誘導に苦戦しており、SEOで熾烈な争いを続けている。そんな中で自社メディア以外の集客チャネルとして転職EXに各社が参画し、期待を寄せたと考えられる。

ユーザーの視点に立つと、転職を検討する際にリクナビNEXTやDODAなど、さまざまなサイトにいちいち登録するのは面倒だ。サイトをひとつずつのぞいて自分が希望する求人を見つけるのは骨が折れる。その点、転職EXを利用すれば各サイトを横断して希望する求人を検索することができ、転職EXで会員登録すれば各サイトに一括登録できる。ユーザーにとっては利便性が高いのだ。

次ページ利益率が高いワケ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT