東証1部上場、“最年少社長"のその後 リブセンス、6月中間決算は収益激増

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村上太一社長(撮影:梅谷 秀司)

昨年(2012年)10月、東証マザーズからの鞍替えで東証1部への上場を果たしたリブセンス。当時25歳の村上太一社長(現在は26歳)は、東証1部上場企業の史上最年少経営者として大きな注目を浴びた。成功報酬型というビジネスモデルのアルバイト求人サイト「ジョブセンス」を運営するネットベンチャーの業績は、東証1部上場後も順調に推移している。

リブセンスは7月11日、今年度(2013年12月期)中間期(1~6月期)予想を上方修正した。中間期の売上高は21億円と前年同期かとらほぼ倍増、本業の儲けを示す営業利益も同64%増の9.3億円へ拡大する。従来の予想から売上高5.7億円、営業利益2.2億円を上積みした。

現在、注力しているWebプロモーションの効果が出ているのが好調の要因だ。主力のジョブセンス、転職求人サイト「ジョブセンスリンク」などの訪問者が拡大し、つれてサイトを通じた企業の採用数が伸び、リブセンスの収入となる成功報酬の増加につながっている。

通期の営業利益予想は34%増で据え置き

一方で、今年度を通した予想は、売上高こそ41億円(従来は33億円、前期比84%増)に大幅増額したが、営業利益は15億円(同34%増)と、ほぼ従来並みで据え置いた。

売上高はこれまでの拡大基調を引き継ぐうえに、現在進めている料金改定(値上げ)効果も見込まれる。ただ、中間期に比べて年度通算で営業利益の伸びが抑えられるのは、積極的なWebプロモーションに伴う広告宣伝費増に加え、人員増に伴う人件費や第4四半期(10~12月)に予定している、オフィス増床費用などがかさむ見通しのためだ。

こうした固定費増は、今後の成長を見据えた先行投資であり、直ちにネガティブ要因とはならないだろうが、もし、成長が鈍化すれば一転して重荷となる懸念はある。東証1部上場の最年少経営者としては、初めて通年の成績が示される今年度決算。市場の期待が集まる中、少なくとも今、示している業績予想並み以上の成果を株式市場は求めているだろう。最年少社長の手腕が試されている。

(撮影:梅谷 秀司)

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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