“新人類”社長の「生きる意味」 新世代リーダー 村上太一 リブセンス社長
「カネ儲けだけに興味があるわけではないんです」。2011年12月に25歳1カ月の最年少での東証一部上場を果たしたインターネットベンチャー企業・リブセンス村上太一社長は笑顔で語る。社名の由来は「リブ=生きる、センス=意味」。自らの生きる意味を「皆を幸せに出来るサービスを作って、世の中を変えること」と言ってのける。
「私たちの世代は、幼いころに貧乏で苦しい思いをした人が少ない。いわゆる満ち足りた世代だと思います。だから“カネ”に一番の価値を置かないのは自然なこと。ある意味“新しい”新人類でしょうね」。自分の育った環境・世代をこう分析する。
その言葉の通り、社長の「邸宅」はわずか8畳のワンルームマンション。おまけに冷蔵庫もなければテレビもない。「IT企業の若社長」と言われてイメージする暮らしぶりとは程遠い。一見すると、どこにでもいる26歳。自称「新人類」社長はいかにして最年少で東証1部上場を果たしたのか。
「儲かるからやる」、ではなく「あったらいいな」を作り出す
リブセンスの中核を担うのは大学1年の時に立ち上げた「ジョブセンス」と呼ばれる求人情報サイトだ。リクルートを筆頭に競合メディアが多い求人サイトの中にあって後発と言える。だが、設立からわずか5年で約11億円の売上高にまで成長している。
「ジョブセンス」はなぜ躍進を遂げたのか。その開発の経緯に「村上らしさ」が滲み出る。
「高校生の時にインターネットを使ってアルバイトを探していたのですが、なかなか見付からない。ふと町を歩いていた時に電信柱に“バイト急募”のはり紙を見付けて、そっちの方がいい条件でした。じゃあ何でこれがネットに載っていないんだろうと思ったのがきっかけです」
村上が事業を立ち上げるのに当たって、発想の中心に据えているのが「ユーザー視点に立つ」ということだ。儲けは二の次だという。もし自分がサービスの利用者だったら、あるいは、企業だったらどんなサービスがほしいか。常にアイディアの根幹はユーザーサイドに立っている。
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