新型レッツノートに見えたパナソニックの秘策
「iPad(アイパッド)」(米アップル)を筆頭に拡大するタブレット端末市場。9月25日には「ネクサス7」(米グーグル)が国内で販売開始。年内には米アマゾンの「キンドルファイアHD」の日本投入がうわさされるなど、タブレットに対する日本の消費者の関心は高まるばかりだ。
一方で割りを食っているのが、ノートパソコンである。タブレットは高くても5万円程度。ネクサス7に至っては1万9800円だ。画面の大きさは小型ノートパソコンと大差なく、タッチパネルによる簡単な操作で、場所を選ばずインターネットに接続できる利便性もある。ノートパソコンの需要は伸び悩み価格下落基調が止まらない。
タブレットに負けない価値を持たせなければならない--。パソコンメーカーに危機感が募る中、パナソニックが一つの答えを出す。9月26日に発表、店頭、法人向けともに10月26日から順次発売する新型ノートパソコン「レッツノート AX2シリーズ」(=写真=)である。
AX2シリーズは、半導体大手インテルが推進する「ウルトラブック」に位置づけられるノートパソコン。ウルトラブックは厚さ21ミリメートル以下、重さ約1キログラム超と持ち運びに適していながら、5~8時間程度はバッテリーが持続するというモデルである。
起動時間が数秒と短く、パソコンの心臓部に当たる中央演算処理装置(以下、CPU)はインテルの最新版を搭載しないとウルトラブックと認定されないため、処理能力も高い。ウルトラブックそのものが、タブレット対抗を意識しているが、AX2シリーズは一段とその色を濃くしている。