“新人類”社長の「生きる意味」

新世代リーダー 村上太一 リブセンス社長

とは言え、「いざ起業」と勇んでみても大学生では何をすべきなのか全くわからない。求人情報サイトを作るには、システム構築や広告のコストに加え、人件費がかかる。

起業の資金集めに奔走していた村上に絶好の機会が舞いこむ。早稲田大学主催のベンチャーコンテストが開かれていたのだ。このコンテストを18歳で制した村上はいよいよ起業にむけて歩みを進めていく。

 一冊の本が、腹をくくるきっかけに

 

村上が大学一年生の時に書き上げた事業計画書。ここからリブセンスが生まれた。

「そこから軌道に乗せるまでは、根性勝負でした。」一番苦しい時期をこう振り返る。起業の準備を進めつつ学業との両立も必要だ。スカウトした仲間には「来られない理由はないはず」という理由で朝七時に集合をかけ、夜はオフィスにベッドを持ち込んで遅くまで打ち合わせをした。

ようやく、サイトがオープンまでこぎつけても掲載企業を集めなければならない。営業から、システム構築まですべて4人の社員で行った。設立から最初の半年は社長以下、全員給料はゼロ。もちろん休んでいる暇はない。無給・無休の日々が続いた。

設立から半年、ようやく給料が払えるメドがたったが、それでも月に5万円。普通にアルバイトをしていた方がマシな金額だ。どうしてこのような苦しい環境に大学生ベンチャー集団は耐えられたのだろうか。

彼らが起業する前に仲間内で読み回した一冊の本がある。サイバーエージェント藤田晋社長の「渋谷ではたらく社長の告白」だ。24歳でサイバーエージェントを起業した藤田社長の苦労や経営者としての葛藤がつづられている。

「これを読んだから、起業の辛さはある程度覚悟していました。寝袋を持ち込んでオフィスに泊まるのは当たり前、それくらい起業は大変で難しいこと」。村上が何度も発破をかけた甲斐もあり、皆、腹をくくっていた。大学生であれば、サークルや飲み会、恋愛など誘惑は多い。だがそれでも「自分たちのサービスで世の中を変えたい」という思いは揺るがなかった。

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