1500円を超える高級弁当が高利益率の源泉?
共同商品開発や予約販売による成果報酬といった出店者メリットを提供し、飲食店が手掛ける余裕がなかった宅配も手掛けるビジネスモデルは、楽天のような通常のモール型コマース事業よりも利益率が高いと思われる。その盤石なビジネスモデルの上に、こだわりのコンテンツ編集力で売り上げを伸ばしていく。ビジネスモデル構築とマーケティング力の掛け算が競争優位性といえよう。
ごちクルでは主に3つの弁当の価格帯を設けている。
高級弁当(約50%):1500円以上
一般弁当(約25%):700~1500円
低価格弁当(約25%):700円以下
(注)%はおおよその売上比率
一度の平均受注単価は2.5万円から3万円ほどであり、先ほどの役員会やイベントなどの需要と重ねると、高級弁当15個前後か、一般弁当や低価格弁当30個前後の受注と重なる。ごちクル側から各セグメントの粗利率は開示されなかったが、筆者が考えるに高級弁当の粗利率が高いと予測する。低価格弁当では100円の差を大きく感じるが、1500円の弁当と2000円の弁当の差はあまり気にしなくなってしまう心理はなかろうか。ここに利益率をグッと上げるスイートスポットがあるように思える。
今後は2日前の予約販売のみならず、前日注文を受けられる販売パートナーを増やしたり、個人向けの需要にも応えていきたいとごちクルは考えているようだ。Bentoは英語でも通じ、日本食人気とともに海外での人気も上昇中だ。近い将来の海外展開も見据えているであろう。
2012年6月期は取扱高が約7億円、2013年6月期には同約21億円と3倍の規模に。直近の月間提供弁当数20万食というごちクルは、どこまで取扱高と提供弁当数を伸ばしていくのか。コンテンツ事業などと比べて一般的に利益率が低いコマース事業の中でも、比較的利益率が高いであろうコマース銘柄として、2014年中の上場に期待がかかる。
(撮影:谷川真紀子)
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