反LGBT法で世界中から非難を受けるロシア 2020年、東京は大丈夫か??

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ついに世界中が待ちわびたソチ・オリンピックが開幕しました!

ところが、アメリカのオバマ大統領をはじめ、フランスのオランド大統領、ドイツのガウク大統領など、欧米の首脳が開幕式を欠席しました。なぜか、これはロシアで行われている「性的マイノリティ」に対する人権侵害への抗議であることが一因のようです。性的マイノリティ、「LGBT」は、L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー(性同一性障害を含む)を指します。

まずロシアでは性的マイノリティに対して、いったいどのような「人権侵害」が行われているのか、お伝えしたいと思います。ロシアでは昨2013年に、18歳未満の者に対する同性愛の「助長」にかかわった場合、罰金を科すという内容の法案が成立しました。

「反同性愛法」に抗議してイギリスでは五輪不参加を訴えるデモが展開された(写真:AP/アフロ)

「18歳未満の若者に対する同性愛の“助長”」とは、具体的にどういうことでしょうか? 国際NGOヒューマンライツウォッチの報告によると、実は明確な定義がなく、現地でも混乱した状況のようです。それが拡大解釈され、悪用されるという懸念が広がっています。公然と「同性愛そのもの」の禁止や、同性愛者が集うクラブやバーの閉鎖を要求する動き、襲撃など当事者への暴力も起きている状況です(http://www.hrw.org/news/2014/02/03/russia-sochi-games-highlight-homophobic-violence)。

また、ソチ五輪の聖火リレーが行われたロシアの地方都市で、同性愛者ら性的少数派を象徴するレインボーの旗を広げたロシアの男性が、警察に拘束されていると報道されてます。現地では法の運用がソチをはじめ、一部、緩やかであるという報道もあります。ただし、この法律があるかぎり、オリンピック終了後、状況が一変するおそれもあります。

この法律は、外国人にも適用されます。ロシアで私が自分がゲイであるとポジティブに話したり、レインボーフラッグを持っただけで、裁判にかけられて罰金の支払いを命ぜられる可能性があります。私のような外国人であれば、国外退去を命じられるかもしれないということです。これは日本人オリンピック選手も同様です。

次ページロシアに根づく偏見
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事