ロサンゼルスのウェスト・ハリウッド地区が、レインボー色の旗と40万人の観衆で埋め尽くされた6月8日。毎年恒例のLGBTの祭典、「LAプライド祭」が行われた。ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーのコミュニティを代表する大規模なパレードとフェスティバルが注目を集めるこのLAプライド祭は、1970年の初回から数えて44回目。全米でも最も歴史ある老舗のLGBTの祭典のひとつだ。
ウェスト・ハリウッド市はカリフォルニアの中でも特にゲイ人口が高い土地で、2010年の国勢調査によれば1300組以上の同性カップルがこの地域で暮らしている。
昨年、カリフォルニア州で同性婚が合法になり、全米50州のうち19州で同性婚が合法となった中での今年のLAプライド祭では、同性愛者や同性カップルたちを積極的に勧誘しようとするキリスト教会のブースが特に目立った。
「おかえりなさい、カトリック教徒たち!」。白地に赤の文字の大きな垂れ幕を掲げているのはロサンゼルスのカトリック教会のブースだ。
カトリック教会と言えば、同性婚を認めず、伝統的に「聖書は結婚は男女間の神聖な契約だと定めている」という考え方を貫いているキリスト教会だ。つまり、「ゲイ・フレンドリー」とは正反対のイメージで知られる教会なわけだが、ゲイやレズビアンの本丸と言えるLAプライド祭で、彼らを勧誘しようとする理由は何なのか。
「ゲイは地獄に落ちる」は間違い
「確かにクリスチャンの中には、ゲイは地獄に落ちるなどという発言をして、あえて憎しみを広めようとする人もいますが、それは大きな間違い。神はすべての人を愛していますから、教会を離れたゲイやレズビアンの人たちに安心して戻ってほしいんです」。
そう言うのはLAのカトリック教会でリーダーシップ・カウンシルを務めるデイビッド・ケネディ氏だ。彼の名刺にはレインボー色の花のロゴが印刷されており「ゲイ、レズビアンの人々と共にあるカトリック教会」と書いてある。
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