東京レインボーウィーク2014は、「2014年、東京のゴールデンウィークを、レインボーウィークに!!」をキャッチフレーズに、今年もLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)を含む性的マイノリティの人たちが、「より自分らしく前向きに暮らしていくことのできる社会をみんなで応援し、サポートする」ことを目的に開催されました。4月26日から5月6日までの期間中、東京渋谷区を中心に50以上のイベントが開かれました。
東京レインボーウィーク中、最大のイベントは、東京レインボープライド・アンド・フェスタでした。約3000人が渋谷の街を歩いたパレードには、日本のファーストレディ安倍昭恵さんも参加されました。また代々木公園を会場に、性的マイノリティのための結婚相談所や相談のブース、同性婚や同性のパートナーシップを導入しているオランダやイギリスなどの各国大使館のブースなどが立ち並び、参加者総計は、1万5000人に及びました。
この記事で注目したいのが企業によるブースです。今年は日本IBMや東京インターバンク・フォーラム(外資系証券会社など複数の東京の金融機関の連合グループ)など性的マイノリティの従業員支援を目的としたグループと、自社の従業員支援に加えて、グーグルやマイクロソフト、フィリップスなどは性的マイノリティの消費者に対して自社がフレンドリーであることをアピールするグループと、双方が参加したことが特徴です。いわゆるピンクマーケットは非常に大きく、人口の5%強を占めると言われています。このマーケットにどのようにアクセスするか、企業の注目度が徐々に高まってきました。
注目はアパレルメーカーGAP
そんな企業の中でも、今回特に注目を集めたのがアパレルメーカーのGapです。Gapでは「2014年、Gapはセクシャルマイノリティが差別や偏見にさらされることなく、平等に生きていける社会を目指す東京レインボーウィークの趣旨に賛同し、この活動を応援します。」と宣言し、パレードが開かれた代々木公園近くの原宿店では、シンボルのロゴマークにレインボーを利用しました。店内にも東京レインボーウィークに関する展示が設置されました。原宿店のレインボーロゴですが、「世界に一つだけのLGBTレインボーをあしらったロゴ」で、今回のイベントのために、日本拠点でスタートしたようです。そして、日本に続き北米でも、プライドフェスがある街のGapストアがこのロゴの使用を検討しており、日本発のLGBTフレンドリーな企業のメッセージとなりそうです。
プレスリリースでは、同社は「1969年、サンフランシスコでブランドが誕生してからずっと、Gapはカスタマー、そしてエンプロイーの個性と多様性を尊重してきました。カスタマーに対しても、エンプロイーに対しても、公正さ、尊厳、そして敬意を持って接することは、ブランドのコアバリューのひとつです」と述べ、LGBTフレンドリーであることがいかにブランドにとって大切であるか強調しています。そして今回、企画を実現するために、原宿店でのトレーニングを特別に行ったようです。スタッフのほとんどが学生などの若者、かつLGBT当事者でない人が大多数のため、性的マイノリティに関する基礎知識から、参加する意義、当事者カスタマーへの対応まで、しっかり情報のインプットを行ったとのことです。