Twitterなどで見られた性的マイノリティの当事者の声は、非常にポジティブでした。「ここまで有名企業がやるとやはりびっくりするし、勇気づけられる」「アパレルメーカーはたくさんがあるが、このように明確にLGBTを支持してくれるのであれば、やはりGAPで買いたい」「すてきな試みをしてくれてありがとうとレジで伝えたら、『こちらこそ来ていただいて、ありがとうございます。お客様の声は責任を持って共有させていただきます』と答えてくれた、さすがGAP」と言った声が聞かれました。
原宿店での顧客の反応もよいようで、特に小さい子供を連れた母親層などが、店内に置かれたメッセージを好意的に受け止め、写真を撮る姿が目立ちました。人口の5%のマーケット、また取り組む企業が少ないだけに目立ちます。アパレル他社との競合が激化する中、メジャーなアパレル企業として、初めてパレードに参加した同社のような企業には、先進的で差別化されたイメージが生まれるようです。
このような企業のトレンドについて、企業の性的マイノリティへの取り組みに詳しいNPO法人虹色ダイバーシティの村木真紀代表は以下のように述べています。
英断とも言えるGAPの取り組み
「GAPはアメリカのLGBT権利擁護団体が作成している“企業平等度指数”において、連続で100点満点を取得しており、アメリカでもLGBTフレンドリーな企業として有名です。しかし、海外ではLGBTフレンドリーでも、日本ではまだ取り組みをしていない企業が多い中、今回の取り組みは英断であると思います。
日本企業のLGBTイベントへの参加の仕方として、イベントの中だけで、イベントの参加者に向けたアピールをすることが多いのですが、イベント外の、自社の顔である旗艦店の店頭で、一般の顧客や店の前を通る不特定多数に向けたアピールをしたという部分が画期的でした。
私たちのSNSで、自分がGAPの店頭で撮影した写真を掲載したところ、通常より多くの方に『いいね!』をいただきました。なかなかLGBT施策に踏み出せないという企業担当者の方から『当事者以外の顧客の反応はどうなのでしょうか?』というご質問があるのですが、今回のGAPの取り組みがひとつのアンサーになるのではないかと思います。企業として『LGBTを支援します』と言うことが、日本の当事者でない層にも『いいね!』と言われるような風潮になってきたのではないかと私は考えています」
今回、パレードを企画した東京レインボープライド代表の山縣真矢さんは今回の取り組みを以下のように考えられています。
「ファッションという、消費者に身近で影響力のある業界の一流企業が、LGBTへのサポートを明確に示してくれたことに対して、とても喜ばしく思っています。特に、GAPのメインターゲットである若い世代のLGBTは、とてもエンパワーされたんじゃないでしょうか。今後もこういう流れが、もっともっと広がっていくことを願っています」
日本の企業とLGBTのコラボレーションが、今後、どれだけ進んで行くのか、注目していきたいと思います。
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