インターネットを通じて、短期・単発の仕事を請け負う働き方が広がっています。こうした新しい働き方がもたらす経済は「ギグエコノミー」と呼ばれ、アメリカでは近年ギグワーカーが爆発的に増加。一方、今年9月にカリフォルニア州で独立事業主の定義を厳しくする新法が成立し、2020年1月に発効されます。これが、ギグエコノミーに一石を投じています。
新法成立で新たな懸念も
ギグは英語のスラングで「単発」「一度限り」などの意味を持ちます。ギグワークの魅力は、場所や時間を選ばない自由な働き方です。
インターネットを通じて仕事を請け負い、自分の空いている時間を見つけて働いています。ギグワーカーとフリーランサーの明確な定義は定められていませんが、ギグワーカーは自分の空いた時間を見つけて仕事をするといった意味合いが強いと言えるでしょう。
ギグワーカーの代表格といえば、アメリカのウーバーテクノロジーズやリフトなどのライドシェアの運転手。スマートフォンのアプリを通じて、乗客と一般の運転手をマッチングするサービスで、運転手は独立した個人事業主として働いています。
そのため、ガソリン代などの経費は運転手持ちで、仕事がなければ売り上げもなく、最低賃金の保障もなければ、社会保障の適用もありません。さらに、売り上げの一定割合を会社に納めるシステムになっています。そのため、運転手として働く人たちから、セイフティーネットの必要性が叫ばれていました。
そこで、働き手たちの生活を守るために、カリフォルニア州において、今年9月に新法が成立しました。ウーバー、リフトの両社は同州で相当数の運転手を抱えているといわれており、新法が与える影響は絶大と言えます。
この新法では、独立した個人事業主の条件として以下の3つを定めています。
2. 会社の通常業務の範囲外の仕事をしていること
3. 同じ業界で独立した事業を手がけていること
つまり、これら3つの条件をすべて証明できない限り、会社はギグワーカーらを「従業員」として扱わなければならない、ということです。これによって会社はコスト増になるといわれており、コストを運賃に上乗せすれば、従来と比べ乗車料金が高まるため、サービスの利用低下にもつながる恐れがあります。
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