日米同盟の本質は他国と比べないとわからない たこつぼにいる専門家の情報独占が問題だ

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慶應義塾大学総合政策学部准教授の鶴岡路人氏(左)と船橋洋一氏が、日米の安全保障政策について対談する(撮影:今井康一)
シンクタンク・パワーと政策起業力のフロンティアと日本の課題を、シンクタンクや大学、NPOの政策コミュニティーの現場で活躍している第一線の政策起業家たちと議論する本連載。
連載10回目は慶應義塾大学総合政策学部准教授の鶴岡路人氏との対談前編をお届けする。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)や防衛省防衛研究所主任研究官などを経て現職にある鶴岡氏は、国際安全保障の専門家で、とくに欧州政治やNATOに明るい論客。対談では、シンクタンクや政策起業家が安全保障政策に果たす役割やその可能性について語り合った。

日本で初めて「政策」を看板にした学部

船橋洋一(以下、船橋):慶應の湘南藤沢キャンパス(SFC)では私も2011年から2014年まで3年間、教えたことがありますが、とても活発でよい校風だと思いました。鶴岡さんは主にどのような分野やテーマで教えておられるのですか。

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鶴岡路人(以下、鶴岡):国際政治と国際安全保障、そしてもう1つがヨーロッパの現代政治です。

船橋:総合政策学部には政策研究を志向する学生も多いと思いますが、どのような印象をお持ちですか。

鶴岡:非常に自由な環境です。「楽しくあるべき」というのがキャンパスの価値観として共有されているのはすばらしいことです。政策研究に打ち込む学生も少なくありませんが、緑豊かなキャンパスの牧歌的雰囲気と、外交・安全保障のぎとぎとした現場のギャップはかなりありそうです。その意味では、政策現場のリアリティーをいかに感じてもらえるかが重要だと思います。

総合政策学部は日本で初めて「政策」を看板にした学部ですから、これまでの蓄積もありますし、また、今後に向けても政策研究をしっかりもり立てていかなければなりません。

船橋:大学で「政策」と銘打った学部はかなりあるのですか。

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