「高齢ドライバー」が危険だとわかる統計的根拠 若者ほど「死亡事故」起こしやすいデータも
実際に高齢者のドライバーは増えているのでしょうか? 最後に各年代別の免許保有率を見てみましょう。
[図表7 年代別の免許保有率]
壮年層と高齢層の保有率が上がり、若年層の保有率が下がっています。最新のデータでは若者と高齢者の保有率がほぼ同じになっており、今後は高齢層の保有率が上回ることが予想されます。若者の車離れが進む一方、高齢者は逆に車に乗る人が増えているといえます。
高齢者の交通事故の実態
以上のことから、高齢者の交通事故の現状についてまとめてみました。
2)免許保有者あたりの事故数は、各年代とも下がり続けている。
3)交通事故や死亡事故を起こす確率は、高齢層よりも若年層が高い。
4)高齢層は、交通事故を起こしたときに重大な事故になりやすい。
ここから見えてくる高齢ドライバーの特徴として、1つには「高齢ドライバーは安全運転を心がけている」ということが言えるでしょう。免許1万人あたり事故数が若年層よりも低いことからも、高齢ドライバーが事故を起こさないよう安全運転に努めていることは明らかです。
もう1つは、「高齢ドライバーはいざというときの判断力、運転技術が衰えている」ということでしょう。事故に占める死亡事故の割合が年代別で高いのは、危険な状況になったときに被害を最小限に抑える能力が劣っていることを示しています。
高齢者の事故で報道されることが多いアクセルとブレーキの踏み間違いも、まさにこのケースでしょう。パニックに陥ったときに適切に運転することができず、被害を広げていることがうかがえます。
これからも増えていく高齢ドライバー対策として、免許返納を促すことももちろんですが、上記のような緊急事態に陥ったときに、自動車がドライバーに頼らず適切に停止できる技術の開発も急務といえるでしょう。
(編集協力:株式会社バーネット)
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