甲子園「四国凋落と東北躍進」の明らかな根拠 データで読み解く「甲子園」強豪地方の変遷

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戦前から近年までの各地方の甲子園での勝率をひもとく(写真:Akishima / PIXTA)

私は、データを基に都道府県を比較分析するサイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」を運営しています。「コンビニの店舗数は東京が1位っていうけど、それって人口が多いんだから、当たり前じゃないの?」といった疑問を、客観的な統計データ、つまり「数字」を用いて分析しているのです。

今回のテーマ「甲子園地方別歴代勝率」は、「昔といまでは、甲子園上位校の顔ぶれが変わっているような気がする。客観的なデータで示せないだろうか?」という思いから生まれました。昔は雪国の高校がなかなか勝てず、「雪に閉ざされて練習しにくいから」と言われていましたが、最近は東北・北海道勢が毎回上位に食い込んでいる印象があります。こういった印象をデータで探ってみるべく調べてみました。

統計データでわかった「甲子園に強い地方」

調査のベースとしたのは「勝率」です。勝率とはその名のとおり「勝利した割合」のことで、数式で示すと「勝利数÷試合数」となります。たとえば試合数が10試合だったとき、5勝5敗なら勝率は50%(0.5)、8勝2敗なら80%(0.8)です。

ここでは地方の全出場校の勝利数を、試合数で割って勝率を出しました。たとえば関東地方であれば、茨城・群馬・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川の7都県から甲子園に出場した全高校の勝利数を合計し、それらの高校の全試合数で割ることで「関東地方の勝率」としています。全チームが1回戦敗退だったとすると勝率0%、勝ち上がるチームが多くなればなるほど勝率があがります。つまり「地方の勝率が高い=トーナメントを勝ち上がるチームが多い=その地方は強い」といえます。

今回は「移動平均」という計算方法を使いました。これは一定の期間の平均を折れ線グラフにするもので、飛び抜けて勝率が高かった年や低かった年が平均化され、なだらかな折れ線グラフになります。この処理によって、長期的な傾向がつかみやすくなります。

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