アマチュア野球審判員の知られざる熱い仕事

「1試合5000円」でも技術と情熱を注ぐ

どんな試合でも、試合運営を担う審判員がいて初めて成立する(写真:sdart / iStock)

MLB(米大リーグ)やNPB(日本プロ野球)の試合内容や結果が、連日メディアで報道されている。今年は大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)のMLBにおける二刀流挑戦など、話題性も高い。

一方で、大学野球から草野球まで各地のアマチュア野球の試合も盛んに行われる時季だ。だが高校野球「春夏の甲子園」大会を除き、報道されることは少ない。まして試合の進行を担う審判員に至っては、プロ野球の「微妙な判定以外」は、ほとんど脚光を浴びない。だが、どんな試合でも、試合運営を担う審判員がいて初めて成立する。

そこで今回は、メディアで取り上げる機会が少ない「アマチュア野球審判員」に焦点を当ててみた。審判業務への思いを、試合以外の活動も含めて紹介したい。

「塾講師」をしながら年間200試合を担当

アマチュア野球の審判員は、「好きでないとやっていけない」(関係者)仕事だ。理由の1つに報酬の低さがある。1試合を担当して5000~7000円が相場で、もっと低い場合もある。成果給なので、雨天中止になると報酬が出ない。

球審を務める粟村氏(写真提供:粟村哲志氏)

専門性や技術が必要な割に低額なので、収入の柱を、他の業務で担う人が大半だ。今回は2人の事例を中心に見ていこう。

粟村哲志氏(1975年生まれ。練馬リトルシニア所属)は審判員歴18年。現在は個別指導塾の講師を行いながら審判業務を担う。

多彩な活動を行う同氏のスケジュールは慌ただしい。複数の業務が立て込むと、こんな日を送る。

・7時30分 都内の自宅を自家用車で出発
・8時に大田区多摩川の球場に入り、10時半頃まで1試合を担当
・江東区に移動。草野球の試合を担当する後輩審判員を「査定」(自身が担当することも)
・16時 自宅に立ち寄って入浴・着替え
・18時 練馬区で行われた所属するリトルシニアの「総会」に出席
・21時 足立区に移動。MCを務めるインターネット放送局に出演
・放送終了後、反省会を経て23時半頃帰宅
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