これだけは知っておきたい「日本の赤ワイン」 「マスカット・べーリーA」の魅力とは

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先に述べたように、マスカット・ベーリーAは2013年にO.I.V.にオンリストされています。これは、EU(欧州連合)へ輸出する際、ブドウ品種名をボトルに記載できる、ということです。 日本オリジンの品種としては、甲州に次いで2品種目の登録でした。

では、マスカット・ベーリーAのワインの特徴はなんでしょうか。まず挙げられるのは、やや明るめのルビー色の外観と、いちごキャンディや、わたあめのような甘い香りです。

近年は軽やかな辛口が人気

味わいとしては酸味が豊富なものが多く、タンニンは少なめで渋味が穏やかなものが多いのですが、良質なものには出汁っぽい旨味が感じられます。赤だけでなく、ロゼやスパークリングワインも造られていて、若いうちから楽しめる早飲みから長期熟成タイプまで、さまざまなスタイルで楽しむことができます。

以前は甘口ワインに仕上げられることが多かったのですが、近年は軽やかな辛口ワインが人気。また、このブドウ品種は生食用にも栽培されているので、山梨の果物屋さんなどでみかけたら、ぜひ食べてみてくださいね!

さて、私が今回ご紹介したいマスカット・ベーリーAの1本は、山梨県勝沼のワイナリー、「くらむぼんワイン」のNシリーズです。現当主で醸造も行う野沢さんは、なんと4代目ということで、創業100年以上のワイナリーなんです。

くらむぼんワインは、宮沢賢治の童話「やまなし」の世界観をワインで表現したようなワイナリーで、エチケットにも童話の登場人物(?)であるカニやかわせみ、魚が描かれたものもあって印象的。なかでもこのNシリーズは当主の野沢さんのイニシャルが入ったフラッグシップワインです。

(編集部撮影)
ワイン名:N MUSCAT BAILEY A(エヌ・マスカット・ベーリー・エー)
銘柄名:G.I.YAMANASHI(G.I.山梨)
生産者:くらむぼんワイン
生産年:2017年
生産地:山梨県甲州市勝沼町
ブドウ品種:マスカット・ベーリーA 100%
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